
地球の70%近くは海だが、その海水を抜いたていったら、いったい地球はどう見えるのだろう?
海面を段階的に下げながらシミュレーションした動画がある。これはもともと、2008年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の科学者ジェームズ・オダナヒュ博士が作ったもので、最近になってNASAが解像度を上げてリメイクしたものだ。
海面が140メートル下がった状態で、けっこうな領域が見えるようになった。
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Draining Earth's oceans, revealing the two-thirds of Earth's surface we don't get to see
【水位を下げながら大陸の変化をシミュレーション】
水深1980メートル付近で海の中央部分が見え始め、水深6000メートルになると、深い海溝を除いたすべての海水がなくなった。
この低速度撮影は51秒間。まずは大陸のまわりの海底が現れ始め、オーストラリアやアジア沖の海底が見えてくる。さらに、南北アメリカのまわりの海底が現れ、続いてヨーロッパ大陸周辺が見えてくる。
オダナヒューは、140メートル下がったあたりで、広大な大陸のすぐそばの浅い海底、大陸棚があらわになったことに注目した。
水位が200メートル下がったところ
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水位が870メートル下がったところ
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水位が1200メートル下がったところ
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水位が3510メートル下がると、
陸のまわりの海岸が北極地域とともにあらわになる。
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水位が4090メートル下がると、
海よりも陸のほうが多く見えるようになる。
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水面が5010メートル下がると
深い海溝のあるところ以外は、海は点在する水たまりのようになってしまう
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6000メートル以上下がると、マリアナ海溝などの非常に深い海溝を除いて、ほとんどの海水がなくなる。太平洋にあるマリアナ海溝は、深さ10970メートルある。
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地球の水は全てなくなるとこうなる
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【実際の地球の海面水位は上昇の傾向】
動画は、海面水位がだんだん下がっていくところを再現しているが、気候変動の影響で、世界はこれとは逆に海水が増える方向に向かっていると専門家は予言している。
12月始めに発表された報告書では、グリーンランドの氷床が急速に溶けていて、このままのペースが続くと、2100年までに4億人が暮らす世界の海岸地域が水浸しになると警告されている。
科学者たちの国際チームによると、氷が溶ける速さは1990年代の7倍と急速に速くなっており、今世紀末までに全世界の海面は60センチ以上上昇すると予想されている。
リーズ大学で地球観測をしているアンドリュー・シェパード教授は、経験則から、世界中の海面が1センチ上昇するごとに、新たに600万人の沿岸住民が洪水の危機にさらされると語っている。
written by konohazuku / edited by parumo
記事全文はこちら:地球の海水が減っていくとどうなる?大陸シミュレーション動画(JAXA) http://karapaia.com/archives/52286023.html
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