世の中にはゴミが溢れている。近年はリサイクル活動が盛んだが、それでもゴミの量は減ることがない。
しかし、アメリカのニューヨーク市衛生局のとあるガレージ内では、そんなゴミの山から収集された多くの物が、アート感あふれるコレクションとして生まれ変わり続けている。
市内の元衛生局員だった男性が、ゴミ収集の際にゴミの山からいわゆる「掘り出し物」を集め続けて来たのだ。
彼が34年間コレクションし続けたアイテムは多岐にわたり、現在は非公式博物館として展示されている。
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【リタイアしたゴミ収集員が持ち続けて来た「物を大切にする精神」】
ニューヨーク市の衛生局で、1981年~2015年の34年間勤務し続けた6児の父ネルソン・モリーナさんは、多くの市民同様、廃棄物の再利用に強い関心を抱いていた。
ネルソンさんは、子供の頃から「古いものでも大切にする」という倹約の精神を持っていた。
壊れた物をそのまま捨ててしまうのではなく、修理して再び使うことを常としており、ネルソンさんは度々ゴミ置き場から、まだ使えそうなおもちゃなどを拾って来ては修理し、それをきょうだいたちへのクリスマスプレゼントにしたりしていたという。
廃棄処理寸前に救われたおもちゃが、ネルソンさんのおかげで再び生まれ変わり、大切に使われる。当時のきょうだいたちにとって、ネルソンさんは素敵なサンタクロースだったようだ。
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【ゴミ収集しながら宝物を集め続けた】
そんなネルソンさんは、大人になっても物を大切にする気持ちを持ち続けた。ゴミ収集職員として働くようになったネルソンさんは、毎日捨てられる大量のゴミの中に、思わぬ宝物があることに気付いた。
そこで、毎日収集中にゴミ袋の中から掘り出し物を見つけては、別に取っておく習慣ができた。
本来、職員は発見物を自宅へ持ち帰ることは禁じられているため、ネルソンさんは職場のロッカーに物を保管し続けた。
しかし次第にその量は増え、個人的管理の領域を超えた。やがて同僚や上司らの理解とサポートを得たネルソンさんは、多くのコレクション収集場所としてマンハッタン東衛生ガレージ11番という巨大な倉庫を借りることができ、そこに無数のコレクションを展示することが可能になった。
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【「ゴミの中の宝物」が集められた非公式博物館】
広いガレージ内には、ゴミ袋の中から回収した様々なものがカテゴリーに分類され、きちんと管理されている。
ネルソンさんが持ち帰った物は、綺麗に汚れを拭き取られ、修理できるものは修理されてガレージ内に展示される。
古く懐かしい本や、サイン入り野球ボール、彫刻された時計、ビンテージもののレコード、楽器、電話や陶器、写真に絵画、ポスター、アーミーナイフ、時代を感じさせるタイプライター、フィギュア、時計など、34年間にわたるコレクションがぎっしりと並べられているガレージ内は、まるでレトロな秘密の博物館のようだ。
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このガレージは職場と繋がっているため、訪問者らは滅多にここを訪れることができないが、ごくたまに特別に手配されるツアーに参加すれば、コレクションを目にすることができると言われている。
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また、ニューヨーク市内の1か所のギャラリーと博物館では、ネルソンさんのコレクションの巡回展示も開催されているそうだ。
博物館というよりも、「ゴミの中の宝物」だね。ここまで大きくなって、しかも話題になるなんて思ってもいなかったけど。
ゴミを収集する仕事は、私は世界一素晴らしい仕事だと思っているよ。
と語るネルソンさんだが、何が入っているのかわからない無数の黒いゴミ袋の中から、直感で価値があるかもしれない物に気付くその能力に、同僚らはただただ驚かされ続けて来たようだ。
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【45000点を超えるコレクションのために資金集めを呼びかけ中】
現在、衛生局をリタイアし、博物館の管理人をしているネルソンさんのコレクションは、45000点以上にものぼっている。
メディア報道でネルソンさんの秘密の博物館は話題になり、ネルソンさんが見せるアイテムのいくつかは、再販価値をじゅうぶんに持つ物もあると伝えられている。
もちろん、大量のジャンクもある。プラスチック製のファービーやたまごっち、PEZの詰め替え容器などもそのカテゴリーだ。
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しかし、どれだけ時代遅れの消費者向け技術品であっても、ファストフードのおまけといった使い捨て感覚のおもちゃであっても、この「ゴミの中の宝物」コレクションの中では、全てが生き生きと息を吹き返しているかのように見えてしまう。
これらは全て、ネルソンさんが子供の頃から持っているつつましい精神により生まれ変わった物たちなのだ。このコレクションの展示については、ネルソンさんだけが大きな喜びを感じているのではなく、同僚たちもまた熱狂的に支援をし続けている。
そのため、衛生局では同局の豊かな歴史も紹介しながら、ネルソンさんのコレクションを展示するための公式博物館を設けようと財団を作って、今その資金を集めている最中なのだそうだ。
ネルソンさんのガレージ・コレクションが、非公式博物館から公式博物館になる日が来るのも、もしかしたらそう遠くないかもしれない。しかし、ネルソンさんがコレクションを通して伝えたいことは、ただ一つのみだ。
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物を捨てる前に、もう一度考えてみてください。使えない物などないのです。
References:OpenCultureなど / written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:ゴミの中から拾った物を34年かけてコレクション。見事なお宝博物館となった(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52286138.html











