極端に大きなフードにロングケープが目を惹くミステリアスなファッション。これはかつてアゾレス諸島に暮らす女性が着用していたものだ。
アゾレアンフードとも呼ばれたこの風変わりな外套は、母から娘に受け継がれる藍染めの伝統衣装で、1930年代まで着用されていた。
アメリカの小説家、マーク・トウェインも目を留めた青色の神秘的なシルエット。アゾレス諸島の女性たちが実際に着用している姿を見ていくことにしよう。
【アゾレス諸島の女性の伝統衣装】
アゾレアンフード(ポルトガル語では「capote e capelo(カポテ・エ・カペロ)」)は、ポルトガルのアゾレス諸島の女性が1930年代まで着用していた伝統衣装だ。
この衣装の主な特徴は、頭をすっぽり覆う大きなフードだ。
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その詳しい起源は未だ謎に包まれているが、オランダ、ベルギー、フランスにまたがるフランダース(フランドル)地方が発祥という人もいれば、17~18世紀にかけてポルトガルで流行したマントとフードから派生したという人もいる。
このように諸説あるものの、とにかくこれらの衣装は大西洋に浮かぶ9つの島から成るアゾレス諸島の女性に長らく親しまれてきた。
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【クジラのヒゲで支えられた巨大なフード】
この外套は1枚ではなく、フード部分とケープ(袖のないマント)の組み合わせになっていた。 またそのデザインや被りかたは島によって微妙に異なっていた。
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その丸みを帯びた立体的なフォルムはクジラの鯨ひげと麻の裏地で支えられていた。当時のファイアル島は大西洋を横断する捕鯨船の港として栄えていたため、こうした素材も容易に入手できたのだろう。
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【インディゴの原料を輸出していた島】
一方、各島で着用されたアゾレアンフードには共通点もある。
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当時のアゾレス諸島では、藍色の原料になる植物の栽培と輸出も盛んだった。その植物は国外の人々が文化とともに持ち込んだヨーロッパ原産のアブラナ科の草、大青( タイセイ)だった。
アゾレス諸島にフランダース地方の人々が定住し始めたのは1450年あたりだが、1490年には約2000人がテルセイラ島、ピコ島、ファイアル島、サンジョルジェ島、フローレス島に移り住んでいた。
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それだけ大きなコミュニティが存在したため、当時のアゾレス諸島は「フランダース諸島」または「フランドル諸島」などと呼ばれていた。
15~16世紀にかけてこの諸島の開拓が進むと、ジェノヴァ、イギリス、フランスの人々も島に移り住むようになり、ポルトガル本土から移住した人々と暮らすようになった。
その頃にイギリスで染料インディゴの原料になっていた大青が島に持ち込まれ、経済の一端を担う藍色がフードを染めるようになったのだ。
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【マーク・トウェインも目を留めたフード】
ちなみに「トム・ソーヤーの冒険」で知られるマーク・トウェイン(1835~1910)はヨーロッパ旅行の体験を記した著書「The Innocents Abroad」の中で、アゾレアンフードのファッションレビュー行っている。
あちこちでファッショナブルなフードを着た女性を見かけた。このフードは同じ生地でできた厚い青い布のケープに取り付けられている。
高くそびえたその衣装は大きく広がり、海より深い青色をしている。サーカスのテントのごとくフィットし、まるでオペラの黒子のように女性の頭部を隠している
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魔法使いや異世界の住民を思わせる島ならではの衣装。
その後、時代や習慣の変化に伴い女性たちはこの外套を手放してしまったが、現在はアゾレス諸島の歴史や文化の象徴になっているという。
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[画像を見る]References:designyoutrustなど /written by D/ edited by parumo
記事全文はこちら:謎めいた巨大なフードにロングケープ。1930年代まで着用されていたアゾレス諸島の女性用伝統衣装「アゾレアンフード」 http://karapaia.com/archives/52286419.html











