
群れで行動するペンギンはいつ見てもほほえましいものだが、南極のペンギンが直面した危機一髪の映像がネットの話題をさらっている。
このほど予期せぬアクシデントに見舞われたのは1羽のペンギン。
そのペンギンは意気揚々と群れの先頭で歩いていたが、あろうことか周囲の氷に亀裂が走り、あっというまに取り残されてしまった。
近年、急速な氷の融解が報じられる南極で起きたまさかのアクシデント。撮影者もハラハラしながら見守ったペンギンの運命はこのあとすぐ!
[動画を見る]Penguin's Leap Of Faith
【早く逃げてぇ!亀裂で危機一髪のペンギン】
大きな氷河の上を歩いていたペンギンの群れ
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しかしまもなく先を歩いていた1羽のまわりにヒビが!!
亀裂はすぐに広がり、仲間にも動揺が走る
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えええええっ!?このままじゃ取り残されてちゃう!!
早く戻ってぇ~!
割れた氷河がどんどん離れてゆく最中
はぐれかけた1羽は大あわてでジャンプし元の氷へ!
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そこからすぐにお腹で滑って
心配してたみんなと合流!また意気揚々と歩きだしたよ
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撮影者も思わず「走れ!」と叫んだペンギンの危機一髪。この個体もいざとなればひと泳ぎできたかもしれないが、シャチやアザラシなどの天敵が潜む海中は避けたかったにちがいない。
【南極では近年で最も広い範囲の氷が融解中】
この映像は2019年1月に撮影されたものだが、年末に報じられた南極大陸で大量の氷が解けたというニュース絡みで一気に拡散したという。
2019年12月末、ベルギーのリエージュ大学の気象学研究者Xavier Fettweis氏がツイッター上でこんな見解を発表している。
雪や氷に特化したシミュレートを行う地域大気モデルMARが、南極大陸で最大15%の融解範囲を示した。
この結果は アメリカ海洋大気庁NOAAの全球予報システムGFSのデータに基づき算出したもので、近代(1979年以降)から現在までの期間で最も広範囲に達したことを示唆している。
2019年11月から今日までの期間で、融解水の量が平均を230%も上回る記録もあるが、氷が解ける季節は今後も続く。
MAR forced by GFS suggests that the highest melt extent over Antarctica in the modern area (>1979) has been reached on 24-Dec-2019 with ~15%. From Nov 2019 until today, the production of melt water is also a record with 230% higher than average but the melting season is not ended pic.twitter.com/MT0QKCJ47e
— Xavier Fettweis (@xavierfettweis) 2019年12月27日
重さ1兆トンもある棚氷が完全分離するなど、急速な融解が懸念される南極。
この極寒の地で徐々に迫りつつあるとされる生態学的な変化を目の当たりにできる人間はほとんどいないが、それは実際に起こっているようだ。
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突如として群れからはぐれかけた1羽のペンギン。それは気候変動に翻弄される私たちの未来を予期してるのかもしれないしそうでもないのかもしれない。
References:boingboing / geekologie
記事全文はこちら:氷河が割れて1羽だけ取り残されたペンギンの危機一髪(南極) http://karapaia.com/archives/52286483.html