かつて火星に生命は存在したのか?火星の土壌から地球のキノコ「トリュフ」の成分が検出される。(米・独研究)

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チオフェン」は、地球では石炭や原油、あるいは高級食材として知られているキノコ、白トリュフの中で見つかる有機化合物だ。

 そのチオフェンが最近火星で発見された。
宇宙生物学者によれば、このことは火星に初期の生命が存在したという説と整合的であるそうだ。
【火星のチオフェンの起源は細菌か?】

 ワシントン州立大学(アメリカ)とベルリン工科大学(ドイツ)の研究グループは、『Astrobiology』に掲載された研究の中で、火星におけるチオフェンの起源について考察している。

 ここから浮かび上がったのは、細菌が関与していただろう生物学的プロセスが、火星のチオフェン形成に何らかの役割を果たしていたという可能性だ。

 ディルク・シュルツェ=マクッフ教授によれば、地球のチオフェンならば生物学的なものであると考えられるそうだ。だが、今回の発見場所は火星なので、そう想定するためのハードルはぐっと上がってしまっている。

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【非生物学的プロセスと生物学的プロセスのどちらか?】

 チオフェンは、環状に並ぶ4つの炭素原子と1つの硫黄原子を持っている。どちらも生物には欠かせない元素だ。

 今のところ、火星のチオフェンが”非"生物学的プロセスによって作られた可能性は除外されていないので、早とちりはしないことだ。

 可能性のある非生物学的プロセスとしては、隕石の衝突による衝撃が挙げられる。あるいは、化合物が120度以上に熱されたときに生じる「熱化学的硫酸塩還元」も考えられる。

 一方、仮にそれが生物学的プロセスによるものならば、火星がまだ暖かく、今より水分があった30億年以上前に存在していたとされる細菌の関与が考えらえる。細菌が硫酸塩還元を助け、その結果チオフェンが形成されたという可能性だ。


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【次世代火星ローバーに期待】

 キュリオシティはこれまでいくつもの手がかりをもたらしてくれたが、その分析手法は大きな分子を構成要素に分解するというやり方なので、残念なことに研究者が実際に研究できるのは残った断片でしかなかった。

 だが、2020年7月に打ち上げが見込まれている次世代火星ローバー「ロザリンド・フランクリン」ならば、より多くの科学的証拠が見つかることだろう。

 それに搭載される「火星有機分子分析機(MOMA)」は、従来より少ない破壊で分析が行えるので、より大きな分子を調査することが可能になる。

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ESAの火星探査車「ロザリンド・フランクリン」 / ESA/ATG
【驚くべき主張には驚くべき証拠を】

 シュルツェ=マクッフ教授は、次世代ローバーが集めたデータで、炭素同位体と硫黄同位体を調べることを推奨している。同位体とは、同じ原子番号を持ちながらも中性子の数が違うために、質量が異なる化学元素のバリエーションだ。

 同教授によると、生物は「怠け者」なので、少ないエネルギーで扱える軽い同位体を利用する傾向にあるそうだ。すると化合物の中の重い同位体と軽い同位体の比率が変化する――これを生命の存在を示すサインとみなすことができる。
 
 だが、疑い深い我々が本当に生命を発見できたと納得するには、それだけでは足りないかもしれない。

かつてカール・セーガンが言ったように、驚くべき主張をするには驚くべき証拠が必要です。(火星の生命を)証明するには、実際にそこへ人間を送り込んで、顕微鏡の中を動く微生物を見つけねばならないでしょうね(シュルツェ=マクッフ教授)

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記事全文はこちら:かつて火星に生命は存在したのか?火星の土壌から地球のキノコ「トリュフ」の成分が検出される。(米・独研究) http://karapaia.com/archives/52288784.html
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