水平線を七色に彩る美しい虹。こんなときだからこそ、心に潤いを(アメリカ)

Cessna Kutz/Facebook
 自然は脅威であるとともに、驚異でもある。アメリカ、ワシントン州サマミッシュ湖を水平に彩る虹も、そんな自然の驚異の1つだ。


 湖畔に並び立つ家々や木々が虹色のヴェールに包まれ、おとぎの国のような幻想的な風景が広がっている。

 撮影したのはアマチュア写真家のセスナ・カッツさん。午後2時頃に家の窓の外に現れ、5分ほどその姿を見せてくれたという。

【空を七色に染め上げた美しい虹】

 写真は若干コントラストをいじった程度のもので、ほとんど加工されていないそうだ。この世のものとは思えぬ光景が、束の間だけ、本当にこの世に存在していたのだ。

 「先の見えない状況でも怯えてパニックを起こすのではなく、希望や愛を捨てないようにと告げているような気がします。みんなも気をつけて」と、カッツさんはフェイブックに投稿している。

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【環水平アーク:大気を漂う氷のプリズムが魅せる光のショー】

はっきりしたことは分からないが、写真の虹は「環水平アーク」という光学現象かもしれないそうだ。

 この現象は、太陽の光が大気に漂う氷の結晶で反射して作られる氷のハローで、厳密には虹とは違うものだ。

 日光が巻雲(対流圏上部を漂う氷の結晶)を通過するとき、その角度がちょうどいい具合だと、氷がプリズムのような役割を果たし、虹色に光を反射する。これが水平にかかった虹のような縞模様となって現れる。

 太陽の高度が58度以上のときにしか形成されないので、観察できるのは、山岳地域を除けば、通常は北緯・南緯55度以上の地域だ(したがって日本国内では普通見られない)。


 仮に虹だったとしても、さまざまな種類がある。これまでの研究では、色の数や組み合わせが異なる少なくとも12種類の虹が確認されているとのこと。

 水平な虹もあれば、輪のような虹、ゴーストのような虹、あるいは一度に複数現れる虹もある。

 ちなみにアメリカ、ヨセミテ国立公園では年に数回、滝が虹色に染まることがあるという。以下の映像は標高2200mのグレイシャーポイントから撮影に成功したヨセミテの虹色の滝の映像である。

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Rare Yosemite Falls Rainbow Phenomenon in Real Time, Yosemite National Park, California

 なんだか世の中が大変なことになっているが、こんなときだからこそ、美しいものに心を和ませて微笑んでみる――そんな余裕が必要なのかもしれない。

 奇跡の目撃者なら、どんな奇跡も起こせるはず。

written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:水平線を七色に彩る美しい虹。こんなときだからこそ、心に潤いを(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52289509.html
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