
image by:Facebook
新型コロナウイルス感染防止のため、世界的にマスクの着用が推奨されはじめている。マスクの有効性については依然議論がわかれているが、人に感染させないためには有用だというのが一般的な見方である。
だが、マスクをつけることで弊害が出てしまう人たちもいる。聴覚障碍者や難聴者たちだ。彼らは手話でコミュニケーションをとっているが、手だけでなく口の形でも言葉を判断している。その口元が隠されてしまっては手話が成立しなくなってしまうのだ。
そこで、アメリカに住む21歳の女子大生は、耳の不自由な人たちのために口元が透明のプラスチックになった特殊なマスクを開発したそうだ。現在、無料でそれを必要としている人々に送っているという。
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College student makes masks for the deaf and hard of hearing
【21歳女子大生が聴覚障碍者のためのマスクを開発】
ケンタッキー州にあるイースタンケンタッキー大学でろう教育を学んでいるアシュリー・ローレンスさん(21歳)は、現在自己隔離中で自宅にいるが、Facebookで使い捨てマスクの代わりに自分でマスクを作っている人が多いことを知り、こんな考えが頭をよぎった。
聴覚障碍者や難聴者のためのマスクは、一度も見たことがない。彼らには特別なマスクが必要なはず。よし、自分が作ってみよう。
そこで、アシュリーさんはマスクを必要とする聴覚障碍者のために、特別なマスクを開発することに決め、母親の助けを借り早速作成した。
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【口元が透明のプラスチックになったマスクが完成】
アシュリーさんは、透明の薄いプラスチック素材をマスクの中央部分に接着し、口元がはっきりとわかるマスクを作成した。
手話は手の動きだけでは成り立たない。顔の動きや口の動きも見ながら言葉の意味をくみ取っているのだ。更に読唇術ができる人は、口の動きだけで相手が何を言っているかを判断している。
普通のマスクでは、口元が覆われてしまうためにそれが叶わず、耳の不自由な人は何をいっているのかわからなくなってしまう場合もある。
しかし、アシュリーさんの作ったマスクは、はっきりと口元が見えるようになっており、かつ防護用として使えるのだ。
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【手作りしたマスクを必要とする人々に無料で発送】
アシュリーさんは、3月30日に自身のFacebookでこのマスクをシェアした。
聴覚障碍者に適したマスクの供給が非常に限られている中、アシュリーさんの作ったマスクは大きな反響を呼び、多くのメディアやユーザーが注目した。
早速アメリカ国内6州で、そのマスクが欲しいという依頼があったそうだ。
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現在、アシュリーさんはできる限り多く作り、無料で必要とする人々に送り出している。もっと需要が高まれば、使用者が自分で作れるように無料でチュートリアル動画もシェアしたいと考えているようだ。
メディアの取材で、アシュリーさんはこのように語っている。
自己隔離中で時間がある人は、是非誰かのために何かを作ることにチャレンジしてみてください。それは結果的に自分の為にもなります。誰かのことを思うことで自分の気持ちが楽になります。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:マスクをすると手話が成り立たないから。聴覚障碍者用のマスクを21歳女子大生が開発し無料で発送(アメリカ) http://karapaia.com/archives/52289625.html
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