噛んだら歯が折れるレべル。世界で最も固いチーズ、ヒマラヤ山岳地帯の貴重な保存食「チュルピ」


 世界各国で生産されているチーズは、味も香りも食感も様々だ。ヒマラヤ山岳地帯に住むチベット系の少数民族の間では、何世紀にもわたってある特殊なチーズが貴重な保存食として作られてきた。


 それが、「チュルピ」と呼ばれるチーズだ。

 チュルピには2種類あり、ハードチュルピは岩のように固く口の中に入れて飲み込めるようになるまで2時間はかかるという。
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Trying the Hardest Cheese in the World

【山岳民族の間で貴重なたんぱく源となるチュルピ】

 ネパールを始めとしてインドやチベット、ブータンなどヒマラヤ山岳地帯に住むチベット系少数民族の間では、何世紀にもわたり重宝されている貴重なたんぱく源となる保存食「チュルピ」(国によってはデュルカとも)が存在する。

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 ヒマラヤ山岳地帯は標高が高く乾燥しており、栽培できる作物が限られている。そんな中で住民らはチュルピを生み出した。

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 チュルピは、ヤクやヤクと牛を交配させたチャウリから作られるチーズだ。

【ソフトとハードの2種類のチュルピが作られる】

 チュルピには2種類あり、ソフトチュルピとハードチュルピが作られている。

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 ソフトチュルピは搾ったヤクの乳をまず24度に温める。そしてバターミルクが分離したら、80度に沸騰させて水分を蒸発させる。できた固まりを薄い布に包み、水分を取り除く作業を行う。

 ハードチュルピの場合は、ソフトチュルピをジュートバッグに包み、圧迫して更に水分を取り除く。ブロック状のチュルピをより小さくカットして屋外に吊り下げ固く乾燥させる。


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 そうしてガッチガチになったハードチュルピは文字通り噛むには岩のように固すぎるため、噛む前に口の中で少なくとも1時間は舐めるように転がさなければならない。

 徐々に柔らかくなった段階で、ようやく外側が噛めるようになってくるという。

 柔らかくなった最後の部分は、チューインガムのように噛んでから飲み込むのがハードチュルピの食べ方だと言われている。

 小さなキャラメルサイズのハードチュルピを食べきるのに、2時間は余裕でかかるようだが、驚くことにその間チーズの風味は全く失われないということだ。

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 ソフトチュルピは、そのままご飯のおかずにしたり、伝統的な餃子の詰め物にしたり、スープにしたりして消費するそうだ。

【犬のおやつとしても人気】

 山岳地帯の民族が生み出したチュルピのおかげで、ネパールの過酷な山岳環境でもコミュニティは生存を存続させることができている。

 この伝統的な、そして高たんぱく質のチュルピはネパールの重要な食文化を支えているのだ。

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 市場では、1キューブ5円ほどで購入できるそうだ。

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 ちなみに、とても固く噛み甲斐があるハードチュルピは犬のおやつとしても人気で、現在世界各地で販売されている。

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सबैलाई मनपर्ने छुर्पी र चौरीको घीउ कसरी तयार हुन्छ यो भिडियोमा हेर्नुहोस् /
written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:噛んだら歯が折れるレべル。世界で最も固いチーズ、ヒマラヤ山岳地帯の貴重な保存食「チュルピ」 http://karapaia.com/archives/52289635.html
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