
子犬と勘違いしている大型犬は家族の支え image credit:craig_pankhurst/Instagram
カナダ東岸のニューファンドランド島を原産地とする犬種ニューファンドランドは、作業犬や海難救助犬として活躍する、がっしりとした大型犬だ。
オスで最高80kg、体高は70センチ以上にまで成長することもあるが、性格は穏やかでやさしく、フレンドリーでとてもお利口な犬として知られている。
イギリスのある一家は、そんなニューファンドランドとプードルのミックス犬を飼っている。
子犬の時から飼われているその犬は、成長して巨大化した今でも自分のことをまだ子犬だと思っているふしがあるそうだ。
茶目っ気たっぷりで甘えん坊のこの犬、家族にとても可愛がられているが、一家の大きな支えになっているという。『Mirror』などが伝えている。
【2歳のロルフ、自分のサイズに自覚なし】
イギリス北西部、マージ―サイド州にあるサースタストン村に住むパンクハースト一家は、2年前からニューファンドランドとプードルのミックス犬、ロルフを飼い始めた。
ロルフが一家のもとへやって来たのは2018年夏のこと。その時はまだ小さくて、フワフワの子犬だった。
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しかし2年も経つとロルフは立派に成長し、体重は44キロになった。後ろ脚で立つと高さは180センチにもなり、かなり大きくなった。
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しかし、ロルフは自分のことをまだ子犬だと思っているようだ。
飼い主のクレイグさん(41歳)によると、今でも甘えて大きな体で、クレイグさんの膝の上に飛び乗ってこようとするのだそうだ。
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とにかく大きいんですよ、でも、自分を子犬かブルドックサイズだと思い込んでいる。うちは他にもブルドッグを2匹飼っていますが、それよりはるかに大きいですからね。
子犬の時にしていたように、今でも私の膝の上にジャンプして乗ろうとするから押し倒されちゃう。
ブルドッグ用のベッドにだって入らないのに、無理して体を丸めて横になろうとします。自分も小さいベッドにフィットすると思っているのでしょう。でもそういうところが家族を笑顔にしてくれます。
巨大ですけど、家の中で飼っていても割と扱いやすい犬です。ただし、濡れた時に家の中でプルプルされると周りが水だらけになって大変ですが。
笑いながらそう話すクレイグさん。実は、ロルフが一家にやって来た時、クレイグさんは苦境の真っただ中にいたのだ。
【脳卒中の後遺症からの回復をロルフが助けてくれた】
2年前の39歳の時、2児の父クレイグさんは脳卒中を患い手術を行い、2週間の入院ののち帰宅した。
その後、後遺症でうまく話せなくなり、足を引きずらないと歩けなくなった。視界もぼやけ、精神的にかなり落ち込んだという。
そんな時、家族の配慮で1匹の子犬を迎え入れた。それがロルフだった。
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家族は、クレイグさんが犬の世話をすることで、もう一度人生を前向きに生きることを考えてくれたらという願いを込めてロルフを飼うことにしたのだ。
たくさんの運動が必要な犬ということで、クレイグさんはうつ状態や不安症に悩まされながらも、ロルフを散歩に連れて行った。
ロルフにとって散歩が快適になるよう、クレイグさんは必死でウォーキングのエクササイズをした。すると、時間の経過とともに左脚に徐々に力が付き、歩く速度も上げることができるようになった。
最初は1キロが限界だったけど、今は毎日4~5キロほど2時間歩くことができるようになりました。
クレイグさんの心身はゆっくりと、だが確実に回復へ向かった。ロルフは間違いなく、クレイグさんを救ってくれていたのだ。
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【「同じ病に苦しむ人に幸せと希望の光をもたらしてほしい」】
クレイグさんは、脳卒中の後遺症で苦しむ人を支援し、リハビリや運動の機会を提供する慈善団体『A Stroke of Luck』を設立し、運営している。
そこでは、ロルフはアンバサダーに任命されているそうだ。
ロルフはとても楽しくてエネルギッシュで、魅力的な犬です。誰にでもフレンドリーに接します。
私の時にはセラピー犬として救世主になってくれました。今、ロルフの役割は慈善団体とそれに関わる全ての人に、幸せと希望の光をもたらしてくれることです。
今のクレイグさんがあるのは、ロルフのおかげだ。一番辛かった時期に、自分がロルフに救われたように、同じ病を経験した人たちにもロルフの存在で癒され、心身ともに回復してもらえることを心から願っている。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:大きくなっても甘えん坊。自分はまだ子犬だと思っている大型犬だが、飼い主の心の支えとなっている(イギリス) http://karapaia.com/archives/52290682.html
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