
ロボットゴリラに興味津々!image credit: youtube
イギリスとアメリカのテレビ局が合同で制作したミニドキュメンタリー映画シリーズ『Spy in the Wild 2』では、これまでにも多くの野生生物たちの日常の姿を紹介してきた。
特にシリーズ2では、4部構成の制作を通して野生生物に似せたロボットをスパイとして送り込み、映像を間近で録画することに成功した。
4月末の放送では、マウンテンゴリラの世界に赤ちゃんロボットゴリラを侵入させ、ゴリラ一家の生活を記録したシーンを紹介。そこには、食事中に歌を歌う様子や、盛大におならをする、陽気で明るいゴリラたちの姿が映し出されている。
これらの映像は、今後のゴリラの研究において貴重な資料となるようだ。『iflscience』などが伝えている。
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Robot Spy Gorilla Records Mountain Gorillas Singing & Farting!
【本物そっくりの赤ちゃんロボットゴリラ、ゴリラ一家に潜入】
このドキュメンタリープログラムでは、制作者たちが複数の動物のありのままの姿を間近で記録するための手段として、本物そっくりに見えるロボットを開発することに献身した。
ゴリラにおいては、本物のゴリラもそれがロボットであることを見抜けないほど、精巧でリアルな赤ちゃんロボットゴリラが出来上がった。
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ドキュメンタリー映画製作者マット・ゴードンさんはこのように話している。
動物を撮影するためには、最適なスパイ動物を作る必要があります。例えば、シルバーバックマウンテンゴリラのスパイロボットを作っても、本物のゴリラたちが脅威を感じ警戒してしまう可能性があるため、最適とは言えません。
そこで、私たちは赤ちゃんゴリラを開発しました。
生物学者および動物学者でもあるプロデューサーが、ロボットを可能な限り本物に似せるために、目から作業を開始しました。ゴリラにとって、家族や仲間とのアイコンタクトは非常に重要ですからね。
製作スタッフらの努力は、果たして成功を収めた。ゴリラ一家は赤ちゃんロボットゴリラを本物と思い込み、一家の仲間に受け入れた。
ゴリラは、アイコンタクトをする中で、他のゴリラへの敬意を示すために、故意に目をそらしたりする。赤ちゃんロボットゴリラもその行為がしっかりとプログラミングされていたため、本物ゴリラには違和感がなかったようだ。
【赤ちゃんロボットゴリラ、ゴリラが歌を歌う姿を記録】
ゴリラ一家の群れに溶け込んだ赤ちゃんロボットゴリラは、間近でゴリラたちの様子を観察。
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すると、ゴリラ一家は食事中に歌を歌ったり、食事をしながら派手なおならを何度もしたりと、最も親密ともいえる行為を赤ちゃんロボットゴリラの前で繰り返した。
ゴリラが食事をする時に歌を歌うという事実は、2016年の研究でも明らかになっているが、当時は音声のみの記録だった。
当時の研究者は、この発見は言語と音声コミュニケーション、特に人間への進化について非常に興味深い見方を提供している。
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ゴリラだけでなく、大型の類人猿は食べ物を集めて食べる時に、その量や質を周りに確認するように声を出すと言われている。
動画内では、確かに「フンフン」と鼻歌のように音を出して植物を貪るゴリラの姿が捉えられていて、実に興味深い。
映画製作者らは、これを「感謝の合唱」と呼んでいるようだ。
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【盛大におならを連発するゴリラたち】
また、その食事中にゴリラは盛大におならを連発している姿も記録されている。
毎日20kg近くの植物を食べるゴリラは、ガス体質のためにひっきりなしにおならを出しているということだ。
座る時に放つおならの音は、まるでブーブークッションのようにも聞こえる。半永久的に腸が開放されているようなゴリラの連続おなら音は、豪快そのものだ。
これまでにもゴリラについては多くの研究がなされているが、今回の赤ちゃんロボットゴリラによって記録されたこれらの映像は、今後の研究の上で非常に貴重な資料となることだろう。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:ロボットゴリラは見た!ほのぼの明るいゴリラたちの生態を観察(ウガンダ) http://karapaia.com/archives/52290779.html
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