アメリカの囚人らが自ら進んでコロナウイルスに感染しようとしている姿がとらえられる

感染したい受刑者たち image credit: youtube
 新型コロナウイルスの感染拡大を遅らせるため、今や世界中で社会的距離の実行はもちろんのこと、懸命の対策措置が取られている。

 しかし、アメリカのカリフォルニア州にある刑務所では、釈放を目当てに故意にウイルス感染しようとしている受刑者たちがいるようだ。

 受刑者のコロナウイルス感染の可能性に気付いた保安官らが刑務所内の監視カメラを確認すると、囚人たちが湯の入ったカップやくしゃみをしたマスクを共有している姿が捉えられていた。『abc11』などが伝えている。
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LA Sheriff Uncovers Inmate Plot to Spread COVID-19 in Jail; Outlines Methods of Prevention & Stats

【2つの収容所で受刑者たちがお湯やマスクを共有】

 カリフォルニア州キャスティークにある刑務所「ノース郡矯正施設」の2つの収容所で、受刑者らが釈放目当てに、故意に新型コロナウイルスに感染しようとしている光景が、監視カメラに捉えられた。

 4月15日の監視カメラの映像では、1人の受刑者がくしゃみをしたマスクを他の受刑者らと共有している。

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 また、4月26日の映像からは、給湯器から注いだお湯を入れたカップを、受刑者たちが回し飲みする姿が確認できる。

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 その結果、マスクを共有した受刑者ら9人、お湯を共有した受刑者ら21人が2週間以内に新型コロナウイルスに感染したことが判明した。

 同刑務所では、4月中旬には感染症例が1件もなかったという。しかし数日後、9人の受刑者がコロナウイルス感染の疑いがあると発覚し、当局が監視カメラを確認したところ、受刑者らの行為が明らかになった。

【受刑者ら、故意に感染しようとしたことを認めず】

 5月11日の記者会見で、当局の保安官は次のように述べている。

受刑者らは、感染すれば釈放されるという誤った認識をしている。非常に失望させられる行為だ。ウイルスの危険性について、受刑者らをよりよく教育する必要がある。


 1つのカップから湯を共有した受刑者らは、コロナウイルスの症状の1つに発熱があることから、看護師に検査される前に湯を飲んで体温を上げようとする意図もあったようだ。

 当局では、受刑者の誰かが既にウイルスを持っていて、それを拡散させようとした可能性があることも示唆している。

 監視カメラを見た後、当局では受刑者らを問い質したが、誰一人として故意に感染しようとしたことを認めなかったそうだ。

【ロサンゼルス郡では既に5000人以上の受刑者が解放】

 ロサンゼルス郡においては、感染拡大を抑制するため、受刑者が検査でコロナウイルス陽性と判定された場合は釈放措置を取る場合もあるようで、事実として既に5000人以上の受刑者らが釈放されている。

 しかしノース郡では、検査結果を待つ受刑者は刑務所内の病棟で拘禁されるか、症状が深刻な場合は郡の病院で治療を受けさせるといった措置に留まっているという。

 なお、同郡内では合計357人の受刑者が検査で陽性反応を示していると伝えられている。

written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:アメリカの囚人らが自ら進んでコロナウイルスに感染しようとしている姿がとらえられる http://karapaia.com/archives/52290847.html
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