巨大なダイオウイカを海岸で発見!今にも動き出しそうなほど状態が良かった(南アフリカ)

image by:Wayne Florence/Facebook
 ケープタウンの海岸に打ち上げられていたダイオウイカを目撃した女性は、まずどうにかして助けたいと思ったそうだ。
 
 「最初は海に還してあげたいと思いました。
でも近寄ってみると、もう死んでいると分かりました」と、アデレ・グロッセさん。

 体長4メートルと推定されるダイオウイカの死体は、6月7日の朝、南アフリカ南西ブリタニア・ベイの海岸を散歩するグロッセさん夫婦によって発見された。
【海岸に打ち上げられたダイオウイカ】

 「なんだか、先史時代の雄大な動物に見えましたよ。」

 死因は不明だが、前日の晩は波が高く、そのせいで海岸に打ち上げられたのではとグロッセさんは考えている。イカの体には噛み跡のようなものは特になく、まるでさっきまで生きていたかのように状態がよかったようだ。

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WATCH | Giant squid found stranded on Western Cape beach in rare sighting

【伝説の怪物クラーケンのモデルとなったダイオウイカ】

 発見されたダイオウイカは体長4メートル、重量330キロと推定されている。どうやらオスであるらしく、メスならば体長は18メートルにも達することがある。

 その巨体ゆえに船を沈める海の怪物クラーケンのモデルになったと考えられているが、実際に姿が目撃されることは珍しい。

 自然環境で生きる姿が初めて観察されたのはようやく2004年になってのこと。さらに2013年には、NHKによって生きている姿も撮影された

 生態については謎が多いが、ここ数年では、普段は600~1000メートルの深海につならる海底谷や大陸などの傾斜で暮らしているらしいことが明らかになってきた。そうしたところには、ダイオウイカのエサとなる魚や頭足動物もまた豊富に生息していると考えられている。

 ダイオウイカの腕は全部で10本あるが、そのうち2本は特に長く、「触腕」と呼ばれる獲物を捕獲しやすい構造をしている。
また10本の腕にはいずれもギザギザとした吸盤が並んでおり、強く吸い付くことができる。

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【腕の間から覗く口】

 死体の写真をよく観察してみると、腕が生えている部分の中心に白っぽい筒のようなものが見えるだろう。スミソニアン国立自然史博物館の生物学者によると、これはクチバシで、イカが死んで筋肉が弛緩したために飛び出したものらしい。

 クチバシから続く食道は脳の中を通過している。そのため食べたものがそこを通れるよう、このクチバシでエサを小さく噛み切って食べるのだそうだ。

【ダイオウイカには何種が存在するのか?】

ダイオウイカの死体は地元にあるイジコ博物館によって回収され、ロックダウンが解除され次第、DNA解析や解剖が行われるとのこと。

 じつはダイオウイカの仲間には何種が存在するのか長年の謎とされている。43体の組織を分析した2013年の研究では、1種しか確認されていないが、今後のDNA解析で新しい事実が判明する可能性はあるだろう。

 なお今回回収されたダイオウイカは、イジコ博物館にとって20体目の標本であるそうだ。同博物館は、アフリカ最大のダイオウイカコレクションを所蔵しており、一番大きな標本は9.3メートルほどであるという。

written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:巨大なダイオウイカを海岸で発見!今にも動き出しそうなほど状態が良かった(南アフリカ) http://karapaia.com/archives/52291945.html
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