王様が異臭騒ぎ?/pixabay
ドイツのバイエルン州にある郵便局で、異臭騒ぎが発生した。原因が不明であったことから、現場には通報を受けた消防署員や警察、緊急サービス職員らが集結する事態に。
局員らを避難させた当局が、その後慎重に調査を行ったところ、同じ州の別の都市から送られた小包の中に入っていたドリアンだったことが判明した。『The Guardian』、『smithsonianmag』などが伝えている。
【小包内のドリアンが原因で郵便局内で異臭騒ぎ】
6月20日、ドイツのバイエルン州シュバインフルトにある郵便局で異臭騒ぎが起こった。
局内にあった配達用の小包からの悪臭によって、12人の局員が吐き気などの体調不良を訴えたことから、何らかの有害物質が発せられているとして局員は緊急通報。
現場には、警察や救急車6台、緊急車両7台、3か所からの消防署員らが集結し、建物内にいた約60人を避難させた。
その後、小包を調査したところ、同州ニュルンベルクに住む友人がシュバインフルトの50歳の居住者に送る予定だった4つのタイ産ドリアンが異臭の原因であることが判明した。
この臭いにより、局員6人は治療のために病院へ搬送されるまでになったという。
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【「果物の王様」と呼ばれるドリアン】
東南アジアのマレー半島を原産地とするドリアンは、特にビタミンB1を多く含む栄養豊富な果物であることから「果物の王様」と呼ばれている。
しかし、ドリアンの香りや味については意見が分かれ、「クリーミーな食感がほんのりアーモンドのきいたチーズケーキのよう」と言う人もいれば、その強烈な臭いを「腐った玉ねぎ」「洗っていない足」に例える人も少なくない。
しかし、このドリアンはタイにとっては重要な収入源で、2018年は60万トンのドリアンが生産され輸出されたそうだ。
現在は、それぞれ異なる食感や風味、香りを持つ約200の栽培品種が存在しており、特に近年ではMon Thong(モントーン)と呼ばれる臭いを抑えた改良品種が流出し、中国の消費者の間で特に人気が高まっているという。
【過去にドリアンが引き起こした異臭事件】
アイスクリームやケーキなどのスイーツ以外にもピザのトッピングとしても食されているというドリアンは、一般的に独特の臭いを放つことから、多くのホテルやアジア全域の公共交通機関は持ち込みが禁じられている。
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また、今回のドイツでの異臭騒ぎのように、2018年にはインドネシアの旅客機が積み荷のドリアンが原因で離陸を一時見送らせた他、オーストラリアのメルボルンにあるロイヤルメルボルン工科大学の図書館で食品棚に保管されていたドリアンが腐敗したことで約600人が緊急避難する事態が発生し、去年は再びオーストラリアのキャンベラ大学図書館内で、ゴミ箱に捨てられていたドリアンの臭いがガス漏れと勘違いされ、550人が避難を余儀なくされた。
ちなみに、Nature誌に掲載された論文によると、ドリアンの臭いの原因はメチオニンガンマリアーゼと呼ばれる酵素で、これがドリアンの成熟過程において独特な臭いのもととなる揮発性の硫黄化合物を発生させると述べられている。
なお、シュバインフルトで異臭騒ぎを引き起こしたドリアンは、その後無事に受取人のもとへ配達されたということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:郵便局で異臭騒ぎ。局員ら避難するも6人を病院送りにした原因は、果物の王様だった(ドイツ) http://karapaia.com/archives/52292310.html











