
カナダの断崖で発見された人面岩 image by:Tseshaht BeachKeepers
これは、古代人が刻んだ彫刻なのか、あるいはカナダの先住民族チェシャートの先祖の霊からのなにかのメッセージなのか?
Tseshaht First Nationのハンク・ガス氏がFacebookに投稿した写真には、岩に刻まれた人の顔のようなものが見える。
ガス氏らは、2年もの間、岩の顔を探し続け、ついに2015年6月3日にその場所をつきとめ、動画と写真で記録した。
顔は、島の切り立った崖の狭い裂け目に埋もれるように刻み込まれている。このあたりは、サンゴ礁に囲まれた急勾配の海岸線が続いていて、この人面岩までたどり着くにはかなりの危険を伴う。
[動画を見る]
Mystery stone face etched in B.C. cliff goes global
【人間が踏み入るには危険な断崖絶壁にある人面顔】
ガスが初めてこの岩の顔に注目したのは2008年のこと。周辺のブロークン・グループ諸島でカヤックを楽しんでいた女性が、偶然にこの不思議な岩を見つけたことがきっかけだった。
リークス島の南東部の岩が切り立った海岸線の隙間をぬって、ケルプをかきわけながら岸に近づきました。
すると突然、この写真の顔が目に飛び込んできたんです。まさに人間の顔でした。乗っていたカヤックが転覆しそうになるくらい驚きましたよ
発見者でワシントン州出身のサンディ・フロエは説明した。
しかし、この人面岩は高さ12メートル、崖のてっぺんから6~7メートルほど下ったところにあって、容易に近づくことはできない。
発見者も、島とサンゴ礁の合間をぬって島に近づくところまではいったが、そこから先はとても危険すぎて、カヤックを降りて、人面岩があるところまで登ることはとてもできなかったという。
ガスは、この顔の大きさはおよそ2.1メートルと推測している。
【人工物なのか?自然のいたずらか?】
2008年春、考古学者のデニス・セイント・クレアが、人工のものなのか、自然にできたものなのか見極めようと、詳しく調べるためにこの顔に近づこうとした。
しかし、ごつごつした険しい海岸線に阻まれて詳細な調査ができず、この岩の顔の由来を断定する
ことはできなかった。
とにかく、顔までたどり着くことすらできません。まず岸にとりつくだけでも、ボートで近づいて島に飛び移ることができるくらい、海面が穏やかなときでなくてはいけません。さらに、そこから垂直に近い切り立った岩を登らなくてはなりません。
確かにこの顔は意図的に作られたもののようにも見えますが、ときに自然はこのような不思議なトリックをしかけてくることもあります。人工物なのか、自然の造形なのかを見極めるには、すぐ近くまで行って、詳しく調べてみる必要があるのですが、非常に困難です
人は本来そこにあるはずのないものを、脳が知っているパターンを当てはめて解釈してしまうことがある。「パレイドリア」と呼ばれる現象で、月の模様がウサギの餅つきに見えたり、雲がドラゴンに見えたりする、
もしかしたら、パレイドリアなのかもしれないが、岩はしっかりと顔の形をしており、人間が意図的に作ったものにもみえる。
もしかしたら何世紀にもわたって、多くのチェシャート族がこの顔を非常に特別なものとして扱い、人か自然か、その起源には関係なく、大切にしていた可能性はある、とクレアは言う。
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カナダの断崖で発見された人面岩 image by:Tseshaht BeachKeepers
これまでのところ、この岩の顔の謎は解明していない。
チェシャート族の血を引く彫刻家のアーティスト、ゴードン・デイックの手掛ける作品と、リークス島のこの岩の顔は似ているところがあるという。
先祖の言葉を伝えているのかって? 励ましや愛の声を送り、自分たちの言語、歌、アイデンティティをつなぎとめる文化を絶やさないようにしているんだ
リークス島の岩の顔は、風が吹いているのを表わすように、口から空気を吐いているようにも見える。
References:ctvnews / abcnews / hashilthsaなど/ written by konohazuku / edited by parumo
記事全文はこちら:自然のいたずらか?人工物か?カナダ、リークス島の人面岩の謎 http://karapaia.com/archives/52292572.html
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