17世紀にペストの感染予防対策として設置された「ワインの窓」が再び復活、コロナ流行を受け(イタリア)

ペスト流行時に設置された「ワインの窓」が復活 image credit: buchettedelvino/Instagram
 世界中のビジネスがコロナによるパンデミックの影響を受けた現在、多くのバーやレストランは顧客の安全を重視し、ロックダウンが緩和された今もテイクアウトやデリバリーのみを主流に営業を再開しているところもある。

 そんな中、イタリアのフィレンツェでは、17世紀に流行したペストの感染予防対策として使用されていた伝統的な「ワインの窓」が復活した。


 パイントグラスサイズの小さな窓を介して、社会的距離を保ちながらワインやコーヒーなどが販売されているという。『Mental Floss』などが伝えた。
【フィレンツェで約400年ぶりに復活した「ワインの窓」】

 イタリアのトスカーナ州には、多くの建物に「Buchette del vino(ワインの窓)」と呼ばれる小さな窓がある。その昔、商人はこの窓を介して裕福ではない顧客に直接ワインを販売していたという。

[画像を見る]
 しかし1630年代、当時の大陸の人口の3分の1を死亡させたペストがイタリアに広まると、商人はこれらの窓を感染予防対策として利用。窓を介して飲み物が提供され、酢で消毒された金属製トレイで金銭のやり取りが行われた。

[画像を見る]
 やがて事態が収まり、1966年の洪水が起こってからは、ワインの窓は次第に利用度が減り、木製の窓は永久に失われた。また、商取引法の発展によっても窓を介した商売法は廃れてしまった。

[画像を見る]
 17世紀、ペスト感染予防対策として広まった伝統的な商売法は、そのまま過去の歴史的遺物として残るかと思われたが、今年になって復活したのである。

[画像を見る]
【安全な社会的距離で顧客にサービスを提供】

 今年、ワインの窓がおよそ400年ぶりに復活した背景には、もちろんコロナウイルスの影響がある。

 当時のペスト同様、事業主は顧客の安全性を重視し、サービスを再開しなければならない。そこで、伝統的なワインの窓を復活させたというわけだ。


[画像を見る]
 トスカーナ州では、フィレンツェ以外の地域にも100ほどのワインの窓があるが、現在はフィレンツェ周辺で少なくとも4社が、この方法で営業を再開させているという。

[画像を見る]
[画像を見る]
 小窓は、ワインを販売するバーだけではなく普通の店の壁にも造られてあるため、店によっては小さな窓からワインやカクテル以外にも、ジュース、コーヒー、サンドウィッチなどを提供しているそうだ。

[画像を見る]
[画像を見る]
[画像を見る]
written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:17世紀にペストの感染予防対策として設置された「ワインの窓」が再び復活、コロナ流行を受け(イタリア) http://karapaia.com/archives/52293657.html
編集部おすすめ