はちみつが初期の風邪や咳に有効であることが科学的に認められる(英研究)

はちみつは咳や風邪に効く/iStock
 世界各地で古くから民間療法として、はちみつの効能が伝えられてきた。咳やのどの痛みはもちろん、地域によってはやけどや切り傷の治療薬としても使用されていたが、その効果が科学的に認められたようだ。


 イギリスの研究グループがこれまでに行われた研究を再調査したところ、風邪にははちみつが一番効果的であることが確かめられたのだそうだ。

 ちょっとした風邪に抗生剤を服用してもあまり効果は得られないそうで、初期の風邪なら、まずははちみつを摂ったほうがいいらしい。
【はちみつに関する研究を再調査】

 はちみつの強力な抗菌作用はこれまでにも示されてきた。その威力は英国国立医療技術評価機構(NICE)のお墨付きで、軽度の風邪と咳にはまずはちみつを処方するべきであると医療関係者に推奨しているほどだ。

 こうした同機構の指導は、もちろんはちみつの効果を証明したいくつもの研究に基づくものなのだが、その背景には不必要な抗生剤の使用による悪影響も懸念されている。

 これまで過去のはちみつ関連研究を再調査したものは、子供のせき治療をテーマとしたものしかなかった。

 そこでオックスフォード大学の研究グループは、子供だけでなく、あらゆる患者を対象とした臨床研究を包括的に再調査して、はちみつの治療効果を確認してみることにした。

 レビューの対象となったのは、「上気道感染症」――ひらたく言えば風邪に対するはちみつの治療効果を調べた14の臨床試験だ。

 これらの内容はかなり多様で、はちみつの効果をプラセボと比較しているのは2つしかない。それ以外は、せきシロップや抗ヒスタミン剤など、一般的な治療と比較したものだ。

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【初期の風邪、軽度の風邪にはちみつが一番効果的】

 その結果、比較されたあらゆる治療の中で一番効果的だったのははちみつだったという。研究は次のように結論づけ、風邪にははちみつを処方するよう医師に勧めている。


はちみつはよく知られた民間療法だ。安価で、手に入れやすく、また有害性もほとんどない。医師が上気道感染症の患者に薬を処方しようと考えるのなら、抗生剤の代わりとしてははちみつを推奨する。

はちみつは、一般的な代替治療よりも効果的かつ有害性が低いうえに、薬剤耐性の悪影響も避けることができる

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【どのはちみつが効くの?】

 なお、一口にはちみつといっても、どれも同じ品質であるわけではないという。はちみつはさまざまな成分でできている複雑な物質で、もしかしたら風邪やせきに特に効果的なはちみつもあるかもしれないとのこと。

 今回分析された研究ではさまざなタイプのはちみつが使われていたものの、その効果はどれも一貫していたそうなので、効き目のあるはちみつがどれなのか悩む必要はなさそうだ。

 ちなみにコロナに効くとかそういう話ではまったくないので、誤解しないように。
この研究は『BMJ Evidence-based Medicine』(8月18日付)に掲載された。
Effectiveness of honey for symptomatic relief in upper respiratory tract infections: a systematic review and meta-analysis | BMJ Evidence-Based Medicine
https://ebm.bmj.com/content/early/2020/07/28/bmjebm-2020-111336
References:newatlas/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:はちみつが初期の風邪や咳に有効であることが科学的に認められる(英研究) http://karapaia.com/archives/52293909.html
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