自分が死んだらあの世に何を持っていきたい?墓に入れるものと一緒に横たわる人々(イギリス)

あの世に持っていきたい物リスト image credit:Regia Anglorum/Facebook
 故人の埋葬法は国や時代によって異なる。イギリスでは現在でも7割が土葬だが、中世初期には、自分の墓に様々なものを入れてもらうことができたようだ。


 今回、中世初期の人々の生活や歴史を再現する英国拠点の活動グループが、「自分が死んだら何を墓にいれたいか」という課題を投げかけたところ、死んだふりした自分の周りに、あの世に持っていきたい様々なものを並べた、興味深い写真が集まったようだ。
【日常生活使用した物を故人と共に埋葬する習慣があった中世初期】

 イギリスで1986年に設立された『Regia Anglorum』は、ラテン語で“英国の人々”を意味し、英国の島々とその周辺で中世初期に住んでいたバイキングやサクソン人、ノルマン人の生活と歴史を辿り再現していくグループだ。

 彼らは通常、特に夏の間にはメンバー同士が集まって、中世初期の生活体験を再現するイベントや子供たちのための教育プログラムなどを実施している。

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 しかし今回は、コロナによるパンデミックの影響で目立った活動ができない。新たなコンテンツ作りに悩んだ結果、ロックダウン中でもメンバーが楽しめる課題を思いついた。

 それは、「中世初期の人たちになったことを想定して、自分のお墓に何を入れる?」というものだ。

 Regia Anglorumの広報担当ジェン・ピーターズさんによると、中世初期では日常生活で使用した多くのアイテムを、故人と一緒に棺に入れて埋葬していたという。

故人と一緒に物を埋めることは、人類の最も初期の伝統の1つと言えるでしょう。多くの世界文化にまたがる普遍的な信念は、現代の生活から来世にも物を持ち込む必要があるというものでした。

ツタンカーメン王の墓兵馬俑(へいばよう)サットン・フーの船葬墓など過去の考古学における有名な収集品を見ると、その歴史がわかります。

【自分のお墓に何を入れたい?】

 ピーターズさんによると、副葬品を遺体と一緒に入れる伝統・慣習は、ヨーロッパにキリスト教文化が浸透してくると消滅した形となったそうだ。

 キリスト教のいう天国は、“手荷物”を許可していないからだという。


 しかし、イギリスでは今でも故人と繋がる思い出深いものを棺に数点入れる場合もある。そうした行為は、火葬が習慣の日本でもおそらく同じだろう。

 ただ今回のRegia Anglorumの課題は、「中世初期を想定して」ということで、メンバーらは実際に普段使用しているもの、お気に入りのものを来世に持ち込むことを考えた。

 棺の中に自分が入ったことを想像し、周りに様々なアイテムを並べた写真がFacebookアカウントでシェアされているが、なんとも面白い。

 やはり現代ならでは?ラップトップやスマホ、ヘッドフォンはあの世でも必須アイテムといったところか。

 こちらの男性は、銃を来世に持って行きたいようだ。

 お鍋とナイフ。料理好きなら是非来世でも…。

 こちらの女性は、日常品の細々としたものを来世でも使いたいようだ。

 大好きなぬいぐるみと編み物セットを一緒に。

 こちらの男性もライフルと共に埋葬希望。

 音楽好きとみられるこちらの女性は、飼っているペットも一緒に連れて行きたいようだ。
 

 本だったり、アーチェリーの弓矢だったり、棺に一緒に入れるものでその人の生活スタイルがほんの少し垣間見える気もする。

 愛するペットが亡くなった時には、やっぱり大好きだったおもちゃやぬいぐるみと一緒に入れてあげたい。

 
 来世であなたが必要とするものはなんだろう。何を一緒に持って行きたいと思うだろう。

 この投稿を見たユーザーからは、「何かを選ばなければならないとしたら、家族を選ぶけど、自分が死んだときに家族も道連れにするのはあまりにも悲劇的だしね」「なんて興味深い課題。いろいろ考えさせられる」「武器を来世に持って行きたいという思考にショックを受けた」「持って行きたいものが多すぎて選べない」といった様々な声が寄せられている。

written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:自分が死んだらあの世に何を持っていきたい?墓に入れるものと一緒に横たわる人々(イギリス) http://karapaia.com/archives/52295110.html
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