1年間冷凍保存していたトウモロコシの発酵麺を食べた家族、食中毒で9人死亡(中国)

冷凍保存した発酵麺を食べた家族が食中毒で死亡 image credit:appledaily/翻攝自微博
 中国黒龍江省鶏西市内で、親族12人が集まった会食で9人が食中毒を発症し、死亡するという悲劇が起こった。

 この9人は、1年間冷凍保存してあった自家製の「酸湯子(スワンタンズ)」というトウモロコシの酸っぱい発酵麺を食べ、数時間後には相次いで具合が悪くなるという中毒症状に見舞われた。


 後の保健省の調査では、料理の皿と患者の胃液からボンクレキン酸という呼吸毒が検出されたという。『appledaily.com』などが伝えている。
[動画を見る]
酸汤子中毒事件中9人全部死亡,国家卫健委发布提示!

【親族12人の会食で9人が食中毒症状を発生】

 10月5日の朝、中国黒龍江省鶏西市鶏東鎮に住む李さん宅では、親族12人が集まって会食が行われていた。

 食卓には、中国東北地方の地元料理として伝えられている満州族伝統の「酸湯子(スワンタンズ)」がふるまわれた。

 酸湯子(スワンタンズ)とは、砕いたトウモロコシを水に浸して1週間から十数日発酵させたもので、食べる直前に太い麺状にして熱湯で茹でるのが一般的だ。

[画像を見る]

 発酵していることから酸味があるため、食欲を増す食べ物とされているが、この日12人のうち3人の若者は味が好みでなかったことから口にせず、年配者の9人がそれぞれ食した。

 そして数時間後の昼頃、9人は相次いで体調不良を訴え、病院に搬送される事態になった。食中毒を起こしたのだ。

 
【ボンクレキン酸により9人全員が死亡】

 病院で治療を受けていた9人のうち7人は、10日までに死亡し、1人はその翌日死亡。李さん(47歳)自身も危篤という重体だったが、19日に死亡したことが李さんの息子により明らかになった。

 警察と保健省の調べでは、李さんは自家製の酸湯子(スワンタンズ)を1年間冷凍庫に入れて保存してあったという。

 冷凍期間が長かったことから、発生したバクテリアが呼吸毒素のボンクレキン酸を生み出し、中毒を引き起こしたとみられ、保健省は麺の皿と死亡した9人の患者の胃液から、高濃度のボンクレキン酸が検出されたことを発表した。


 ボンクレキン酸は、でんぷんを使った食品でしばしば繁殖すると言われている。保管方法が不適切な場合、これがもとで食中毒を引き起こす場合があるようだ。

 毒性が強いボンクレキン酸は、熱に極めて強く、100度のお湯で沸かしてもその毒性を消滅できない。有効な解毒剤はなく、一旦摂取すると数時間で中毒症状が起こり、致死率は40%~100%に達すると言われている。

[画像を見る]
iStock
 中国では、2015年にも酸湯子(スワンタンズ)を食べた母子4人が食中毒を起こし、死亡している。また、今年7月には広東省でも、ボンクレキン酸が繁殖した麺類を食べた1人が中毒死するというニュースが伝えられていた。

 警察は、今回の1件においても「事件性はなく食中毒」と断定している。

追記(本文を一部修正して再送します)
written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:1年間冷凍保存していたトウモロコシの発酵麺を食べた家族、食中毒で9人死亡(中国) http://karapaia.com/archives/52295863.html
編集部おすすめ