
ピンク色の湖を走る列車の幻想的光景 image by:makhorov/Instagram
ロシア、アルタイ地方にある塩湖、ブルリンスコエ(Burlinskoye)湖は、毎年夏を迎えるたびに夏を湖面がピンク色に染まる。
浅瀬には線路が敷かれており、ピンク色に染まった湖の中を、塩を収集し、運搬する列車が進んでいくその光景は幻想的で息をのむほどに美しい。
ロシアの南部、カザフスタンにほど近い場所にあるブルリンスコエ湖は塩湖で、塩分濃度が高い。この列車は塩湖でとれた塩を積んだ貨物列車で、浅瀬にある線路を走る。
映像は、カメラマンでフィルムメーカーのミケロフ(Makhorov)さんがドローンを使って撮影したものだ。
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Train Travels Across Stunning Pink Salt Lake
【ブルリンスコエ湖がピンク色に染まる理由】
ブルリンスコエ湖がピンク色に染まる理由は、アルテミア(Artemia salina)が大量発生することによる。
アルテミアは小型の甲殻類で体長は15ミリほど。3つの目と11本の脚を持ち、塩水の環境を好み、内陸の塩水湖に数多く生息し、植物プランクトンのテトラセルミス(Tetraselmis)を餌とする。
アルテミアの成体は淡いピンク色をしており、卵もピンク色だ。その為、水面下で大量発生すると、湖面はピンク色に染まっていくのだ。
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【皇族に愛されたブルリンスコエ湖の塩】
ブルリンスコエ湖の塩はロシアの皇族たちに愛された。
1762年から1796年にロマノフ朝第8代ロシア皇帝に君臨したエカチェリーナ2世は、この塩を愛し、宮殿で料理に使用される塩は、ブルリンスコエ湖のものでなければならないと義務付けたほどだ。
1768年、塩湖の塩を商業的に抽出する施設が設立された。塩を採取するための「収穫機」を備えた特別な列車が作られ、浅瀬に鉄道を建設されたのだ。
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1991年のソ連崩壊の余波で、ブルリンスコエ湖の塩の生産は一旦中止されたが、近年になり内陸流域で再び塩の採取が始まったそうだ。
ここでとれる塩はどんな味がするのだろう?ロシアの皇族が愛した塩とやらを、一度は食べてみたいものだ。
ピンク色に染まったときの塩だとすると、エビみたいな甲殻類のアルテミアのエキスが入っていて、かなり香ばしくおいしい塩なんじゃないかと思うんだ。
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記事全文はこちら:淡紅のファンタジア。ピンク色に染まる湖を進む列車の耽美な光景(ロシア) http://karapaia.com/archives/52295865.html
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