空飛ぶ車がいよいよ実現間近。ヨーロッパで公道を走る許可が下りる

空飛ぶ車が公道を走行する許可が下りる image by:Pal-V
 車でのドライブの最中、えいっとばかりに翼を広げて、空へ離陸する、そんないつか映画の中で観たシーンが一歩現実に近づいたようだ。

 世界初の空飛ぶ車を開発しているオランダ企業「Pal-V」が、開発中の機体を路上で走行させる正式な承認をヨーロッパ当局から獲得したのだ。

【テスト走行を経て、いよいよ公道へ】

 承認が下りた機体の名は「Liberty(リバティ)」。2012年に開発されたプロトタイプの走行・飛行実験を経て設計が進められたもので、市販向けモデルという位置づけだ。

 今年2月からテストコースで徹底的な走行試験が繰り返され、高速走行・ブレーキ・排出・騒音といった数々の厳しい基準をクリア。これによって、ついに合法的にヨーロッパの公道を走行できるようになった。

 動画の中では、ナンバープレートを取り付けるシーンが誇らしげに映し出されている。

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Flying Car PAL-V Liberty Hits The Road

【空と陸の規制に準拠した性能と安全性】

 Pal-Vの最高技術責任者マイク・ステケレンブルフ氏は、この快挙について同社サイトで次のように喜びのコメントをしている。

コンセプト機Pal-V Oneの飛行・走行試験のことを思い出しながら、リバティの試験をとても楽しみにしていました。この一里塚にたどり着くために、何年も道路関連当局と共同してきました。チーム全員が大きな興奮を味わっています

 何しろただの車ではなく”折りたたみ式飛行機”なのだから、空と陸の規制に準拠したものでなければならず、とてもやりがいのある仕事だったそうだ。

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image by:Pal-V
 またテストドライバーのハンス・ジョーア氏は、「初めてリバティのエンジンに火を入れたとき、鳥肌が立ちました! 」とその凄さを語る。

 彼によれば、とてもスムーズな走り心地で、ステアリングの操作に対してキビキビ反応するとのこと。車重は660キロと軽自動車並みなので、加速はスポーツカーのように鮮烈だそうだ。


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【2022年には空を飛ぶ姿を見られるかも】

 なおPal-Vはすでに欧州航空安全機関(EASA)と連携して、飛行許可を得る手続きも進めているという。

 リバティの市販化までには1200本の報告書をまとめ、さらに150時間の飛行試験をクリアする必要があるが、Pal-V Oneによる飛行試験の知見が大いに役立っているらしく、2022年には承認を得られる見込みであるとのこと。

 またリバティは、今後数か月かけて、路上での耐久性能を試されることになる。ヨーロッパの美しい街並みを走行するその姿は、きっと思わず振り返ってしまうほど印象的なものだろう。

References:World’s First Flying Car Hits The Road | PAL-V/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:空飛ぶ車がいよいよ実現間近。ヨーロッパで公道を走る許可が下りる http://karapaia.com/archives/52296148.html
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