
巨大なバスターミナルを丸ごとぐわんと90度回転させるなど、大きな建物のまるごと移動は見てるだけでわくわくするが、先月上海で行われた世にもメカメカしい移設映像が反響を呼んでいる。
このほど話題になったのは再開発で移設が決まった築85年の小学校。
重量約7,600トン、規格外の形をした校舎の移動手段はなんと「徒歩」。
およそ200本ものロボットの脚を与えられ、にわかに多脚式となった巨大校舎がウォーキングスタイルで新たな場所へと移動したのだ。
[動画を見る]Old Chinese building ‘walks’ to new location to make way for Shanghai’s new commercial centre
【再開発ため移動が決まった築85年の小学校】
ネットをにぎわすこちらの動画は、先月上海で行われた小学校の移設作業をとらえたもの。この作業は2023年にオープンする新商業施設の建設に伴う18日間のプロジェクトだった。
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中国では新しい建物を建てるために古い建物をまるごと移動させることはよくあるという。しかし今回話題を呼んだのはその移設方法だ。
今回移動が決まったのは1935年に建てられた小学校。その校舎の重さは7,600トンもあり、形状も規格外のものだった。
一方で新たな商業施設のために移動させる距離はおよそ62m。そこで技術者たちは歴史ある校舎をうまく動かす方法について話し合いを重ねたという。
【従来の方法は困難!専門家がロボットの脚を選択】
通常、構造物をそのまま移動させる工法(日本でいう曳家)にはレールなどが使われる。しかしこの校舎は不規則な形だっため技術者は頭を抱えた。
従来の方法では動かしにくいやっかいな建物。しかも築85年と老朽化も著しい。この難題を前にいくつもの案が検討されたのち、専門家が巨大な建物を持ち上げて「歩く」革新的なシステムを選択した。
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その移動に使ったものはなんとロボットの脚。198本の機械の脚を使い、古い校舎を新しい場所まで歩かせたのだ。
【人間をまねた脚で「歩く」校舎。作業時間も短縮】
198本もの油圧脚で構成された「歩行」支援システムで、じりじりと迫りくる巨大な校舎。動画がタイムラプスなもんだから余計リアルに見えちゃうな。
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その下では力強い脚たちが一糸乱れぬタイミングで1歩ずつ前進、重い校舎を少しずつ運んでいる様子が見てとれる。
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連動式油圧ジャッキを応用したらしいこのシステムは世界初のものではない。だが、こうした手順で使用されるのは初めてのことだという。
携わった技術者によると、このロボットの脚は「人間の脚を模倣」しており、その「歩行」っぷりは従来より見事なだけでなく作業時間を20%短縮できる。
さらにこの脚たちは重くて脆い校舎を支えたまま約20度の方向転換も手伝ったそうだ。
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この移設作業は10月15日に完了。今後は改修工事が予定されている。
にしても200本の脚で「歩く」校舎ってシュールな絵面だわ。他の建物でも見てみたいと思うのは私だけだろうか?
References:odditycentralなど /written by D/ edited by parumo
記事全文はこちら:こいつ、動くぞ!巨大建造物にロボットの足を付けて徒歩で移動させることに成功 http://karapaia.com/archives/52296188.html
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