気候変動で氷が解け、古代の矢を大量に発見(ノルウェー)

氷が解けて古代の矢を大量に発見 image by:Innlandet County Council
 氷は天然のタイムカプセルだ。気候変動、温暖化で解けた氷の中から、石器時代から中世にかけての矢が大量に出現したそうだ。

 
 ノルウェー南部のヨートゥンヘイム山地で発見されたのは、矢のシャフトの部分68本だ。最も古いもので6000年前のものもあった。いくつかは矢尻付きのものもあり、それ以外の遺物も見つかったとのこと。
【狩りに使用されていた古代の矢】

The Holocene』(11月25日付)に掲載された研究によれば、もっとも古い矢は紀元前4100年頃、新しいものは1300年頃のもの。また特に多かったのは1700年前から1200年前のものだ。

 一部に残されていた矢尻の素材は、骨・粘板岩・鉄・珪岩などさまざまで、中には貝殻から作られたものもあった。
さらに木製のシャフトに固定するために使われた糸やタールも発見されている。

 氷の中からはトナカイのツノや骨が300点近くも見つかっている。くわえて発見地が現在でもトナカイが生息する地域であることから、その辺りは何千年も主要な狩場だったのだろうと推測されている。

 それ以外にも3000年前の靴や、肉を包むために使われた可能性がある布も発見されたとのことだ。

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image by:Innlandet County Council
【氷は遺物の保管庫】

 古代の遺物を閉じ込めて現代まで保存してくれた氷であるが、長い期間のうちに徐々に移動している。そのため矢が発見された場所は、それが落ちた本来の場所ではなく、何を狙って射たのか確かなことを知るのは難しいという。


 「氷は遺物の保存庫であるとともに歴史の破壊者」と、研究グループの1人、ノルウェー文化遺産局のラーズ・ホルガー・ピロ氏はコメントしている。

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氷の融解/iStock
 この件に関する海外の反応は...

・5000年間分の矢だなんて、人間の活動と技術の変遷を示しているようだね。

・5000年間続いた大戦争の可能性はないのか?

・凄いことだけど、それだけ氷が解けているっていうのは怖いよ。

・俺たちが終わりに突進することで、失われた過去が蘇るってのは皮肉だな。
References:newscientist/ written by hiroching / edited by parumo

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