
イギリスの監視カメラの数は500万台越え simell1968/pixabay
6800万人が暮らすイギリスは、1人当たりの監視カメラの台数がヨーロッパでも最多と言われている。事実、警視庁や交通局など公的機関運営の監視カメラだけで10万台近くが至る場所に設置されてある他、民間企業が設置する監視カメラを合わせると、500万台を超えるカメラが存在している。
リサーチを実施した監視カメラ設備会社によると、今年は特に封鎖に対する不安と通販の購入増加が後押しとなったようだ。『Daily Star』などが伝えた。
【公的機関だけで10万台近くの監視カメラがあるイギリス】
投資会社Growthdeckの統計によると、イギリスには地方自治体、ロンドン警視庁、ロンドン交通局が運営する10万台近くの公的機関所属の監視カメラが、各地域に設置されてあるという。
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2019年の調査では、地方自治体は77500台の監視カメラを所有。これは、前年比より3%の増加だそうだ。
くわえて、ロンドン警視庁は首都だけで3000台、ロンドン交通局は16500台を使用していることもわかった。
一方、店舗などには民間企業の監視カメラが数多く設置されている。それらは、AI(人工知能)を使用して監視カメラに映った人物を即時に認証するシステム「ライブ顔認証技術(LFR)」と組み合わせた独自の監視カメラシステムで、万引きや暴力行為などの犯罪阻止のツールとして採用されているということだ。
調査では、イギリスは1人当たりの監視カメラ台数がヨーロッパでは最多であり、数字的にみると24時間監視されていることを示している。
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Growthdeckのギャリー・ロビンスさんは、「人間が管理できるレベルを超えた監視カメラ数になっていることは明らか。映像管理には、必然的にAIを使用していくことになるでしょう」と話している。
【個人のプライバシーに懸念の声も】
今年初めの別の調査では、公的機関と民間企業を合わせてイギリスには520万台の監視カメラが設置されていることが判明した。
監視国家になってしまうと、個人のプライバシー保護はどうなるのか。そうした懸念の声をあげる人も少なくない。
プライバシー保護を目的としたキャンペーンを行う団体『Big Brother Watch』のディレクターを務めるシルキー・カルロさんは、次のように話している。
現在、イギリスの全市民は天文学的な量の監視カメラで日々監視されており、この状況は中国と同じレベルだと不安を抱える人も少なくありません。
監視国家の拡大は、市民の自由を奪うだけでなく、カメラ設置による莫大な公共費用がかかります。どれほど多くの監視カメラを設置しても、それが犯罪を減らすのに役立っているという証拠はほとんどないのです。
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イギリスでは最近、コロナによる都市封鎖からの不安と、通販での購入者が増加したことにより、個人宅に監視カメラを設置する住民が急増したという。
特に、200ポンド(約28000円)未満のドアベルカメラと家庭用の防犯カメラは人気が急上昇している。
調査を行った監視カメラ設備会社は、「数字だけを見ると、監視国家のように感じてあまりいい気持にはなりませんが、そのほとんどは個々の財産を保護するために住宅所有者個人が設置したカメラなのです」と述べている。
ちなみに、監視カメラ数トップ10は下記の通りだ。
1位:ロンドン(689000台)
2位:バーミンガム/ウエスト・ミッドランズ(83000台)
3位:リーズ/ヨークシャー州(58000台)
4位:グラスゴー/スコットランド(46000台)
5位:シェフィールド/ヨークシャー州(43000台)
6位:マンチェスター(39000台)
7位:エジンバラ/スコットランド(8000台)
8位:リバプール/マージ―サイド州(36000台)
9位:ブリストル(33000台)
10位:カーディフ/ウェールズ(27000台)
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:圧倒的な監視カメラの数、500万台超えの設置数で市民を監視するイギリス http://karapaia.com/archives/52297213.html
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