ニュートンはエジプトのピラミッドが「ヨハネの黙示録」の謎を解くの鍵となると考えていた

ピラミッドと黙示録に関するニュートンの未公開手記 /iStock
 物理学者で、数学者、天文学者でもあるアイザック・ニュートンは、誰もが認めるもっとも偉大な科学者のひとりだろう。だが彼の広範な研究は、現在科学から外れた異端な世界へも広がっていた。


 ニュートンの卓越した学術成果は多々あるが、1727年の彼の死後に発見された、数多くの未完の遺稿や未発表のメモの内容を見ると、彼がオカルト、錬金術、聖書の黙示録などに相当な関心をもっていたことがわかる。

 こうした超自然への傾倒がうかがえる証拠ともいえる未公開の手記の一部が、現在、サザビーズの競売にかけられている。それは聖書のヨハネの黙示録が示唆する「世界の終焉」とエジプトのギザのピラミッドの関係性だ。
【一部燃えてしまった手記】

 その遺稿ともいえる手記は、文字通り"断片"になっている。というのは、ニュートンの愛犬ダイアモンドがたまたま蝋燭を倒してしまったために起こった火事のせいで、原稿が燃えてしまい、現在残っているのは紙の端が焦げた燃え残りなのだ。

 このエピソードが真実かどうかはわからないが、はっきりしていることがひとつある。一部が焼けて判読できなくなっている紙には、今日では擬似科学として分類されている、あまり世には知られていない理論について書かれていて、ニュートンの知られざる一面がうかがえるということだ。

 これらのページは、すでに先行入札で、28万ポンド(およそ3800万円)の値がついている。

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image by:Isaac Newton/Sotheby's
【ピラミッドを知ることで世界の終焉を予測できると考えていた】

 数ページに渡って書かれていたのは、古代エジプトのギザの大ピラミッドについてで、ニュートンは、このピラミッドが「キュビット」として知られるエジプトの測定単位を使って設計されていると信じていたことがわかる。

 ニュートンは、このキュビットを定量化できれば、自身の重力理論をもっと精密に解析することができ、最終的には聖書の黙示録で予言されている世界の終末を予測することを可能にする幾何学的洞察を導き出せると考えていたようだ。

「彼は、自分の重力理論の証拠固めを確実なものにしようとする一方で、さらに古代エジプト人たちは、失われた錬金術の秘密を知っていたと考えていました」ザザビーズの写本の専門家、ガブリエル・ヒートン氏は言う。

「今日、錬金術などは研究分野としてまったくの異種とされていますが、17世紀に生きたニュートンにとってはそうは思えなかったようです」

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 こうした考えを持ったのは、ニュートンが初めてではなかったし、最後でもなかった。
ピラミッド学はかつては、地球上でもっとも偉大な頭脳をもつ科学者を大いにとりこにしていた。

これら、焼け焦げたメモは、自然哲学、錬金術、神学など、驚くほど複雑に関連しあっているニュートンのさまざまな研究の一部ですが、彼が世間に公表するにふさわしいと信じていた部分のみです。

彼が錬金術に関する部分を発表しなかったのは、驚くことではありません。錬金術研究や彼の神学上の信念において、秘密主義が貫かれていたわけで、もし世間に発表すれば、その代償は大きく、少なくとも彼の輝かしいキャリアは犠牲になったことでしょう(ガブリエル・ヒートン氏)
References:sothebys / sciencealert/ written by konohazuku / edited by parumo

記事全文はこちら:ニュートンはエジプトのピラミッドが「ヨハネの黙示録」の謎を解くの鍵となると考えていた http://karapaia.com/archives/52297448.html
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