
地球の大量絶滅に周期があるという説 /iStock
地球の生命の歴史を振り返ってみると、幾度か生物が大量に絶滅した時期があったことが分かっている。
この大量絶滅については、完全にランダムに起きているわけではなく、じつは一定の周期があるのだという説がある。
過去に5度起きた「ビッグファイブ」と呼ばれる大量絶滅(現在6度目が進行中という説も)のほかに、もう少し小規模の絶滅現象を加えると、2500万~3000万年という周期で絶滅の発生を予測することができるのだ。
そして、その原因は太陽系が定期的に銀河の中央平面を通過していること関連性があるという。つまり宇宙が原因ということだ。
【大量絶滅には周期がある、ネメシス仮説】
大量絶滅に周期があるという説では、「ネメシス」と呼ばれる仮説上の惑星がしばしば取り上げられる。
太陽系の外側には、これを殻のように包む「オールトの雲」という天体群が存在する。ネメシスが大量絶滅に関連しているという説によると、この惑星は3000万年に1度、オールトの雲を乱すように移動している。
するとかく乱された彗星が太陽系へ向かって飛来し、そのために地球に衝突する確率が大幅に高まる。これが大量絶滅の周期性を生み出しているというのだ。
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ネメシスの想像図 image by:Anynobody / WIKI commons
【必ずしも隕石が原因ではない】
生物の大量絶滅でもっとも有名なのは恐竜の絶滅だろう。三畳紀後期から白亜紀まで繁栄していた恐竜は、6600万年前に突如として地上から姿を消してしまう。そして、その原因としては小惑星の衝突が有力視されている。
しかし大量絶滅の研究からは、小惑星に起因するものは例外的であることが分かっている。
多くの大量絶滅は、大規模な火山の噴火が引き金となっているのだ。
となると、ネメシス仮説は正しくないということになる。
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【大量絶滅に2750万年の周期を確認】
じつは大量絶滅に周期があるとする従来の説は、化石の記録が大量に残っている海洋生物の絶滅に依拠したものだ。そこで米ニューヨーク大学の研究グループは、これまで注目されてこなかった陸上での大量絶滅の周期性を取り上げてみることにした。
陸上生物の絶滅に関する文献調査から明らかになったのは、過去3億年の間に10度の大量絶滅が発生しており、それらすべてが2750万年周期で起きているということだ。それらのうちの8度は、海洋で起きた大量絶滅と同時期のものだった。
さらに10度の大量絶滅のうち3度は、過去3億年で最大のクレーターができた時期と一致。8度は玄武岩岩石区を作り出し、地球の大気と気候に甚大な影響を与えた噴火の時期と一致していた。
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【ダークマターが彗星や地殻をかく乱】
これが仮に正しいのだとして、なぜ宇宙から飛来する隕石だけでなく、火山の噴火にまでも同じような周期が生じるのだろうか?
研究グループの仮説によれば、太陽系が定期的に銀河の中央平面を通過していることと関係があるという。このときに普段よりも大量のダークマターに遭遇し、彗星の軌道が乱れたり、地球内部の活動に影響が出たりするのだ。
「大型天体の衝突と洪水玄武岩噴火を引き起こす地球の内部活動が、2700万年というリズムで行進し、絶滅を引き起こしているかのように思われます。おそらくは銀河内を移動する軌道のペースと一致しているでしょう」と、マイケル・ランピーノ教授はコメントする。
この研究は『Historical Biology』(12月10日付)に掲載された。
References:sciencedaily/ written by hiroching / edited by parumo
記事全文はこちら:大量絶滅には2750万年の周期があるという理論。 その原因は宇宙にある http://karapaia.com/archives/52297456.html
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