
世界最寒の居住区、オイミャコンで暮らす子供たちの日常 image credit:Wikimedia.org
北極圏のわずか南に位置する東シベリアのサハ共和国オイミャコン村は、世界で最も寒い定住地として知られている。
永久凍土にあるこの村は一年の半分以上が冬であり、12月から1月にかけての平均気温はなんと-50度である。
通常なら学校に通えるレベルの気温ではないのだが、そこは世界最寒の居住地。気温が-52度を下回らないと休校にはならないのだという。『Oddity Central』などが伝えた。
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Most Dangerous Ways To School | OIMJAKON (Russia) | Free Documentary
【-50度でも学校に通うオイミャコン村の子供たち】
世界には、様々なリスクと背中合わせの状況でも学校に通う子供たちが存在する。ロシアのサハ共和国オイミャコン村に住む子供たちも、日々大変な思いをしながら学校に通っている。その脅威とは猛烈な寒さだ。
小さな農村集落のオイミャコン村の冬の気温は低く、12月から-50度を下回る日々が増え、1月になるとほぼ毎日-50度を下回る。
気温の測定法には議論があるが、1924年1月には当時ソ連だったオイミャコンの気象観測所がマイナス71.2℃を測定したとされる記念碑も設立されている。
-50度という想像もできない寒さの中、子供たちはまだ日が昇らない真っ暗なうちから起床し、通学の準備にかかる。
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オイミャコンでは、永久凍土のため配管工事ができず、家の中にトイレがない。そのため住民は20度に暖かく保たれた家の中で厚着をして、マイナス気温の外のトイレに用足しに行かなければならない。
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また、水道管が凍ることから、住民は凍った川の氷を家に持ち込み、溶かして使用する。
地域によっては、給水車が各家庭に給水を行ってくれることもあるという。その水で子供たちは顔を洗い、歯を身がいて通学の準備をする。
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【-52度を下回ってようやく休校に】
1年~4年生までのオイミャコン村の子供たちは、外気温がマイナス52度に達すると学校が閉鎖となる。外出時の危険リスクが高まるからだ。
しかし、11歳以上の子供たちはマイナス56度を下回った時のみ、家に留まることが許される。
つまりは、マイナス50度という極寒の中でも、子供たちは離れた場所にある学校へと毎日通学しなければならないのだ。
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たっぷりと重ね着をして家を出ても、外は冷凍庫並みの寒さ。学校まで睫毛を凍らせながら徒歩で通学する児童もいれば、送迎バスに乗って長距離通学する生徒たちもいる。
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12月のオイミャコンの日の出は午前10時頃だ。今の時期は、彼らが学校に着く9時頃はまだ暗く、日没の3時間後に下校となるため、子供たちは暗い中家と学校の往復を繰り返す。
それでも、子供たちは元気いっぱいだ。生まれた時から極東の地で暮らす子供たちにとっては、寒いのが当たり前となっているのだろう。
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Schoolkids going to the classes at -51C in Oymyakon, Yakutia
ちなみに、サハ共和国の首都ヤクーツクに住む子供たちも、厳しい寒さの中日々通学している。
ヤクーツクでは、小学校の生徒らは日中の気温がマイナス45°Cを下回ると休校となり、年長の生徒たちは外気温がマイナス48°C以下になると家に留まるよう指示されているという。ヤクーツクでは、全ての学校はマイナス50°Cになると閉校するということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:休校になるのは-52度を下回った時のみ。世界一寒い村で暮らすオイミャコンの子供たちの日常(ロシア) http://karapaia.com/archives/52297585.html
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