
超大陸の誕生で氷河期突入の可能性 Pixabay
地球の大陸は常に現在のような姿をしていたわけではない。過去30億年の間には、いくつかの大陸が集まって巨大な超大陸を形成し、それから再びバラバラになるというサイクルが繰り返されてきた。
一番最近の超大陸はおよそ3億~2億年前に存在した「パンゲア大陸」で、現在のアフリカ、ユーラシア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカ、南極、オーストラリアなどで形成されていた。
その前にあったのは10億~7億年前の「ロディニア大陸」。さらに19億~14億年前には「ヌーナ大陸」が存在した。
だが未来はどうだろう? 研究によると、今から2億年後、南極以外の全大陸が北半球に集合し、新たなる超大陸が誕生するという――これを「アメイジア大陸」という。
さらに2億5000万年後には、今度は赤道付近で北半球と南半球にまたがるような超大陸「オーリカ大陸」が形成されるとも予測されている。
新しい研究によると、これら2つの超大陸は、地球の気候にも大きな影響を与え、長い氷河期を到来させる可能性があるそうだ。
【超大陸が気候に与える影響をシミュレーション】
この研究は、NASAゴダード宇宙科学研究所のマイケル・ウェイ氏らによって、12月8日に開始されたアメリカ地球物理学連合の学会で発表されたもの。
彼らは、アメイジア大陸とオーリカ大陸の両超大陸にいくつかの地形(山岳、平地、主に平地だが山岳あり)を想定した上で、その気候への影響を「ROCKE-3D」という循環モデルでシミュレーションした。
なお今から2億5000万年後という遠い未来では、大陸の形状以外にも地球の環境は変化している。たとえば地球の自転は少しゆっくりになり、1日は今よりも30分長い。また太陽の明るさもわずかに明るくなる。シミュレーションでは、こうした影響も考慮されたという。
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シミュレーションで判明した超大陸の姿(グレーの部分)
【世界の平均気温が4度低下】
ウェイ氏らにとって一番意外だった結果は、アメイジア大陸が主に山岳によって構成されていた場合、世界の平均気温が4度下がるということだ。
これは標高の高い地域が1年中氷でおおわれ、日光が反射されるために、寒冷化が増強される(アイス・アルベド・フィードバック)ことが主な原因であるという。
一方、アメイジア大陸がそれほど山がちではなかった場合、湖や内海が形成され、赤道から北へと大気の熱を運んでくれるために、雪や氷は暖かい季節になれば解ける。
しかし南からの暖かい海流が北へ流れなくなる可能性も考えられる。現在の地球では、海流がグリーンランドやベーリング海へと流れ込み、これと一緒に熱も運ばれてくる。しかし超大陸が形成されると、こうした流れが堰き止められてしまい、暖かい南からの熱が北へ流れなくなる。
こうして氷河期が訪れる。それはこれまでの歴史でなかったほどに地球を凍りつかせ、1億~1億5000万年にわたって続くと考えられるという。
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【寒さに適応した新しい種の登場も?】
地球上の生物にも大きな影響があるだろう。熱帯の低地は失くなり、そこで暮らしていた豊富な生き物もまた姿を消してしまう。
だがそれは地球上から命が消えてしまうという意味ではないようだ。過去の氷河期でもそうだったように、寒さに適応した新しい種が登場するからだ。
長い時間をかけた変化なら進化のシステムがきちんと機能してくれるのだ。
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Future supercontinent formation
References:mysteriousuniverse / livescience/ written by hiroching / edited by parumo
記事全文はこちら:2億年後の未来、地球に2つの超大陸が誕生し長い氷河期が到来する可能性 http://karapaia.com/archives/52297592.html
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