
売れ残ったドーナツをホームレスに配っていた少年が解雇 credit: bryanjohnston_/TikTok
まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品はあまりにも多い。政府広報によると、日本の食品廃棄物等は年間2,550万トン、そのうちまだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」の量は年間612万トンと推計されている。
だが企業では、おいしさを保つため、食中毒などの被害を防ぐため、一定時間が過ぎたものは廃棄処分せざるを得ないのが現状だ。
このほど、アメリカのドーナツ店で働く16歳の少年は、毎日廃棄処分するよう指示されている売れ残ったドーナツを、後でこっそりホームレスや消防署員たちに無料で配っていたことを自身のSNSで明かした。
このことは店側の知るところとなり、解雇されてしまったという。『indy100』などが伝えた。
【売れ残ったドーナツの処分方法を公開した少年】
ダンキンドーナツでアルバイトをしていたブライアン・ジョンストンさん(16歳)は、店頭で余った300個以上のドーナツとドリンクを1日の終わりに廃棄するルーティン作業の様子をTikTokでシェアした。
@bryanjohnston_My closing routine at Dunkin :) ##fyp ##dunkin ##GroupChat ##loop
♬ Steven Universe - L.Dre
動画の中で、ジョンストンさんは「店側からは、余ったドーナツは全て廃棄処理をする指示を受けている」と説明し、ゴミ箱に次々と捨てられていく大量のドーナツを映し出した。
@bryanjohnston_every night ... 312 donuts + munchkins @dunkin
♬ In This House - Marcus Vinicius Alfaro Nascimento
【実際は捨てずに、袋に入れてホームレスなどに配っていた】
ジョンストンさんの動画は大反響を呼び、多くのユーザーらから食品ロスに対するショックの声や、「捨てずにホームレスに配って!」といった声が多く寄せられた。
実は、ジョンストンさんはこれらの余ったドーナツをこっそり持ち帰り、友人たちに配っていただけでなく、ホームレスや消防隊員たちにも提供していた。
以下の動画には、ドーナツを捨てるふりをして無地の紙袋に小分けしたドーナツを路上のホームレスに配っているところが映し出されている。
@bryanjohnston_Reply to @cole_598 Let’s make 2021 a year of supporting our community ❤️ Tag a friend in the comments to spread the positivity :) ##fyp ##Wee
♬ Mr. Blue Sky - Electric Light Orchestra
【ダンキンドーナツの名を公表したことが解雇の理由に】
しかし、これがダンキンドーナツ側に知られるところとなり、ジョンストンさんは店を解雇されてしまった。
大反響を呼んだジョンストンさんの動画には、様々な声が寄せられていた。
ほとんどのユーザーからは、食品を無駄にすべきではないという店側への非難の声があがったが、中には「期限切れになったものを配って、食中毒を起こす可能性も」という懸念の声もあった。
ジョンストンさんは、再びの動画の中で、ドーナツをホームレスや消防員らに配った際に、ダンキンドーナツからのものであることを明らかにしていたため、店のマネジャーから解雇宣告をされたことを明らかにした。
@bryanjohnston_Reply to @meza_melissa_ If u want to support me, links are in bio. I wanted the truth about Dunkin shared, it costed my job :( wont stop making vids❤️
♬ Worship Instrumental - Instrumental - Adrian Jonathan
突然職を奪われたジョンストンさんは、このように話している。
会社の方針としては、ドーナツを廃棄前に自己責任でこっそり持ち帰ることはかまわないが、ダンキンドーナツと特定できるものを第三者に配ると、衛生上の問題などが起きた時に訴訟問題に発展してしまうので容認できないというのです。
結局廃棄せずに持ち帰っても、店側の許可がなければホームレスたちに配ることはできません。これだけ毎日大量の食品を廃棄する行為には心がとても痛むし、規則を破ることになっても自分は無駄にはしたくないという気持ちがあります。
【反響の大きさが食品ロスに取り組むきっかけに】
ジョンストンさんの解雇を知った多くのユーザーらからは、ジョンストンさんに対して寄付金が送られるという嬉しいサポートが寄せられた。
ジョンストンさんはその寄付金で、クリスピー・クリーム・ドーナツからドーナツを購入し、病院の医療スタッフにプレゼントすることにした。
@bryanjohnston_Reply to @daddy.hisokas.towel Thanks for sending support :) Comment what I should do next! ##GEICOLipSync ##foryoupage
♬ Stuck in the Middle - Tai Verdes
投稿した動画への反響の大きさがきっかけとなり、食品ロスについての取り組み活動を行う意欲が更に増したと語るジョンストンさんは、ユーザーらから多くのサポートを受けたことに感謝の気持ちを伝えている。
なお、ジョンストンさんの解雇に対して非難を受けたダンキンドーナツ側は、
フランチャイズ向けのオプションとして、現在食品寄付プログラムを開設しました。食品の寄付規則が存在する場所を除き、1日の終わりに売れ残った食品を寄付するか否かは、各店の個々の所有者の裁量に任されています
と回答。店側に無断で裏事情を投稿したジョンストンさんの行為は賛否両論あったものの、結局食品ロスを減らすきっかけにはなったようだ。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:廃棄直前のドーナツをホームレスに配った従業員、店側に解雇される(アメリカ) https://karapaia.com/archives/52298986.html