
メキシコのキャビアはアリの卵 credit:Wikipedia.org
国の数だけ異なった食文化が存在する。他国の人から見ればギョッとするような食べ物でも、その国の人にとっては、古代から伝わる伝統料理だったりする。
そうした先住民食文化が現代にも生きているメキシコでは、古代から虫を食べる慣習があり、なかでも「メキシコのキャビア」と呼ばれるアリの卵『エスカモーレ』は、特に高級珍味として知られているという。
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This ‘Ca
viar’ Comes From Ant Eggs
【メキシコのキャビア、それはアリの卵「エスカモーレ」】
アステカ時代から、虫を食べる慣習があるメキシコでは、蛾の幼虫やバッタ、ハエの卵、カメムシなど、様々な昆虫を消費してきた。
虫は高タンパクで栄養価が高い。日本でも一部地域ではイナゴや蜂の子などを食する習慣があるのでわかりみは深い。
その中でも、ツヤハダアリの卵「エスカモーレ」は、メキシコのキャビアと呼ばれるほどの高級食材として知られている。
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【採取困難な希少品】
メキシコとアメリカ南部の一部の半乾燥地域に生息するこのアリは、古代から食用として消費されてきたが、他の昆虫と比較して入手しにくかったことから珍味とされてきた。
ツヤハダアリは、リュウゼツラン、コショウボク、ナラなど様々な樹木やサボテンに巣を作る。しかし、その巣はたいていが何メートルもの地面下にあり、2月から4月までの10~12週の間にしか発見されないため、まとめて卵を入手することは容易ではないという。
巣を探す時間がかかる上に、発見したとしても直径5ミリほどの卵が収穫できるのは最大70%だそうだ。
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【バターの風味とナッツの香ばしさを合わせ持つおいしさ】
収穫後、洗浄されたエスカモーレは、伝統的レシピに沿って、たいていは細かく刻んだ玉ねぎや青唐辛子などと一緒にバターとニンニクで白っぽくなるまで炒められる。
主にオムレツやタコスに入れるのが一般的だそうだが、他にも様々な料理に使用されているそうだ。
で、そのお味の方はというと、ナッツの香ばしさとバターのような濃厚さを持ち、食感はチーズに似ているとも言われており、現地の人にとってはとてもおいしいらしい。
ブチッとした皮から、若干甘めの液体が出てくるそうで、もしかしたら蜂の子に近いのかもしれない。
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Slow Food Foundationによると、メキシコ市場でのエスカモーレの値段は、35ドル(約3700円)~100ドル(約10600円)で、高級レストランのエスカモーレ料理は更に高価な値段が付く可能性があるということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:メキシコのキャビアと呼ばれる珍味、それはアリの卵「エスカモーレ」 https://karapaia.com/archives/52299107.html
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