
リモートワークや外出自粛で家にいる時間が増えると、ついつい食べ過ぎてしまい余計な脂肪がぽってりついてしまった人もいるとかいないとか。
特にお腹まわりはわかりやすく脂肪がつきやすい。
膨らんだお腹をへこませるために食事制限をするものの、思ったほど効果がでないことも多い。お腹についたお肉はなぜこうも落ちにくいのか?その理由が明らかになったようだ。
オーストラリア・シドニー大学の研究グループによると、ダイエットの気配を感じたお腹の脂肪が「保存モード」に切り替わってしまうのだそうだ。
つまり食事の量を減らしたり、絶食をすることで、脂肪が守りに入り、脂肪を溜め込む力が通常時よりもアップするという。
【代謝経路に重要な役割を果たすタンパク質を徹底解析】
タンパク質は、細胞の代謝において大きな役割を担っており、生物には欠かすことができない物質だ。このタンパク質の構造と機能を網羅的に研究する比較的新しい分野のことを「プロテオーム解析(プロテオミクス)」という。
『Cell Reports』(3月2日付)に掲載された研究では、1日おきにマウスを絶食させ、プロテオミクスを通じて体の各部位についている脂肪がどのように反応するのか調査されている。
【食事を制限すると内蔵脂肪が守りに入る】
ずっと何も食べないでいると、脂肪組織から脂肪酸分子が放出されてこれが体のエネルギーとなる。だからこそダイエットをすれば痩せるわけだが、今回の研究では、お腹周りの内臓脂肪がこうした脂肪酸放出に抵抗するようになることが判明している。
それどころか、内臓脂肪と皮下脂肪のエネルギーを蓄える力、つまり脂肪を溜め込む力までアップした兆候もうかがえたという。どうやら、次の絶食が始まる前に脂肪の蓄えをすばやく再構築していると思われるそうだ。
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【絶食の繰り返しは逆効果】
研究グループの1人、マーク・ラランス博士は、繰り返し絶食を行うことで、内臓脂肪に備わっている保存シグナル経路の発動スイッチが入っている可能性があると説明する。
内臓脂肪は、繰り返される絶食に適応して、保存されているエネルギーを守ろうとしているようです。こうした適応が、しばらくダイエットをすると内臓脂肪が減りにくくなる理由かもしれません
おそらく長い進化によって獲得された生き抜くためのメカニズムなのだろう。
動物は冬場、脂肪を蓄え込むと言われているから、冬が痩せづらく感じるのももしかしたら似たようなメカニズムが働いているのかもしれない。
ということで無理な絶食をするよりも、少しずつ食事の量を減らし運動をするという、基本的なやり方にした方がよさそうだ。
References:Researchers Find Belly Fat Is Resistant to Intermittent Fasting – “The Location Makes a Big Difference”/ written by hiroching / edited by parumo
記事全文はこちら:お腹についた脂肪が落ちにくい理由が判明。食事制限をすることで逆に脂肪をため込みやすくなる https://karapaia.com/archives/52299885.html
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