卵を殻ごとコーヒーに入れる北欧式エッグコーヒーの淹れ方

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 朝一杯のコーヒーが欠かせないという人もいるだろう。コーヒーの起源は諸説あるが、文字によるコーヒーの記録は、900年頃アラビア人の医師ラーゼスによるものが最初と言われている。
その後世界中に広がっていったコーヒーは各国の食文化と混ざり合い、独自の進化を遂げていった。

 甘いコンデンスミルクをたっぷり入れる「ベトナムコーヒー」などはおなじみだが、ノルウェーやスウェーデンといった北欧では殻ごと卵を使う「エッグコーヒー」なるものが存在するという。

 いったいどんな味がするのだろう?その淹れ方を見ていこう。

【北欧に伝わる殻ごと卵を入れたエッグコーヒー】

 エッグコーヒーと聞くと、コーヒーに卵が入っているイメージがあるが、ノルウェーやスウェーデンに伝わるエッグコーヒーはそれとは異なるようだ。

 北欧では、殻付きの卵をカップに割って、挽いたコーヒー豆と一緒に混ぜ合わせ、ぐつぐつと煮込むのだ。

 卵白が液体(コーヒー)から不純物を取り除く役割を果たし、カップに濾過され抽出されるコーヒーは、苦みと酸味がないより滑らかなものになるそうだ。

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 専門家によると、1800年代のコーヒーは高価な商品だったが、当時は高度な濾過方法が存在しなかったという。そこで、卵や魚の皮、雄鹿の枝角などのタンパク質が豊富なものをコーヒーに加え、不純物を濾過しやすくしていたという。

 ベトナムのエッグコーヒーのように卵黄と卵白を加えると、コーヒーはクリーミーで泡立つ食感になるが、コーヒーは全体的に酸性になる。

 しかし、コーヒーを抽出する段階で卵の殻を入れると、コーヒーの酸味を中和し、焙煎が不十分なコーヒーに伴う苦みと酸味を取り除くのに役立ち、胃に優しいコーヒーになるようだ。

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【殻ごと使う時には低温殺菌した卵がおすすめ】

 海外では、卵のサルモネラ菌が懸念される。コーヒーを入れるために卵を殻ごと使うとなると、当然安全性や懸念を引き起こす。


 食の安全専門家は、このように警告している。

エッグコーヒーの製造過程では、その水温によって卵にサルモネラ菌が含まれないという保証はありません。

コーヒー用のお湯は通常、醸造中に沸点に達しないため、プロセス中に卵が安全に調理されない場合があります。軽く調理しただけの卵を食べると、サルモネラ菌に感染するリスクが高まります。

コーヒーが抗菌特性を持っているといった複数の研究がありますが、いずれも食中毒の原因となる細菌予防になるほどの効果はないのです。

そのため、北欧のエッグコーヒーを作る場合は、新鮮で低温殺菌された卵を使用することが望ましいでしょう。

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【北欧式エッグコーヒーの作り方】

 では、いよいよそのエッグコーヒーの作り方をご紹介しよう。
 材料は下記の通りでレシピは1人分だ。

・大さじ3杯の粗びきコーヒー(フレンチプレスで入れる時に使用するのと同じものでOK)
・水 295ml
・冷水 88ml
・卵1個(卵黄、白身、殻)


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Scandina
vian EGG COFFEE - brewing coffee with an egg, SHELL & all

・水295mlを鍋に注ぎ、中火から強火でストーブ(もしくはコンロ)の上に置く。

・コーヒーをボウルまたはマグカップに入れ、そこに卵を割って殻も入れる。

・卵が完全にコーヒーと混ざりペースト状になるまでしっかりと混ぜる。混ぜにくい場合は少し水を加えてもOK→30秒間放置する。
(放置することで苦みが逃げる)

・鍋の水が沸騰し始めたら、コーヒーと卵の混合物を鍋に加え、火を弱火にし約4分間煮る。(に出す時間はお好みで調整)

・鍋を火から下ろし、1分間そのままにする。

・鍋に冷水を追加する。 このプロセスを加えることで、コーヒーと卵の殻の混合物が底に沈む。(うまく沈まない時には冷水を少量追加したりスプーンですくったりする必要がある)

・濾過されたクリアなコーヒーが、上に上がってくる。濾過用の紙かザルを通して、カップに注げばできあがり

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 ちなみに、この北欧エッグコーヒーは、19世紀にスカンジナビアからアメリカへ渡って来た移民たちによってアメリカで広められ、今でもミシガン州やミネソタ州などの中西部でよく飲まれているという。

 飲んだことある人がいたら感想が聞きたいな。

written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:卵を殻ごとコーヒーに入れる北欧式エッグコーヒーの淹れ方 https://karapaia.com/archives/52300056.html
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