異星人は10億年前から存在するAI(人工知能)である。アメリカの哲学者が主張

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 ハーバード大学の著名な天体物理学者、アブラハム・ロエブ教授は、”太陽系にはすでに高度な文明を持つ異星人が来訪している”と主張して物議を醸したのはつい最近のことだが、哲学者もまたぶっ飛んだことを考えているようだ。

 アメリカ・コネチカット大学とプリンストン高等研究所の哲学者、スーザン・シュナイダー教授によれば、異星人の正体は超高性能なAI(人工知能)で、10億年前から存在しているだろうと主張している。


 「もっとも進んだ異星人文明が生体だとは思いません」と、シュナイダー教授は語る。「もっとも高度な文明は生物の次の段階、人工知能という形の超知性でしょう」

【地球外知的生命体はどんな姿をしているのか?】

 スーザン・シュナイダー教授はNASAのために行った研究『Alien Minds』で、知的な異星人の考え方やその意識体験について考察している。地球外知的生命体(あるいは意識体)がいるのなら、それはどんな姿で、私たちにはどう見えるだろうか?

 シュナイダー教授が異星人が超高性能AIであると考えるのには3つの根拠があるという。

根拠1:進化の速度
 まず1つめは、ある程度の技術レベルに到達してからの社会の進化は、非常に高速であると考えられることだ。

 たとえば人類が最初に電波を放つようになったのは、ほんの120年前のことだ。さらに宇宙に進出するようになって50年しか経過していない。それなのに、私たちの身の回りにはスマホやノートPCといった高度なデジタル技術があふれている。

 シュナイダー教授によれば、社会が宇宙に到達できるだけの技術レベルに到達すれば、生体からAIへのパラダイムシフトはたった数百年で起こるだろうという。

 あるレベルから進化速度が加速的に速まるのだとしたら、これから地球人が出会うことになる異星人は生身の体ではなく、生体の次の段階にある可能性が濃厚だ。

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根拠2:地球外文明は古い
 2つめは、異星人文明が私たちのものよりもずっと古いと考えられることだ。

 SETI(地球外知的生命体探査)の支持者たちは、異星人文明は地球の文明よりもずっと古いだろうとしばしば結論づけている。

 さまざまな証拠を総合すると、地球外知的生命体の年齢はもっとも古いもので十数億歳、より具体的には17億年から80億年の歴史があるだろうと推定できるという。


 それほど古い文明があるのなら、その多くは地球人よりもはるかに知的だろう。人類の基準で言えば、どの文明も超知的に見えるはずだ。シュナイダー教授曰く、「人類は銀河の赤ちゃん」に過ぎないのだ。

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根拠3:人工的に補強
 そうした超知的生命は、おそらく人工的な手段によって自らの体を補強しているに違いない。生身の部分が残っていたとしても、おそらくは強化された脳だけなのではないだろうか。そうした姿は、私たちの目には人工知能として映るはずだ。

 じつはシュナイダー教授は、彼らはそれよりもさらに先を行っているのではないかと推測している。彼女の考えでは、異星人はもはや炭素ベースですらない――シリコン(ケイ素)ベースだ。

 シリコンは情報処理の媒体としては脳よりも優れていると思われる。神経細胞の最大速度はおよそ200Hzだが、現在のマイクロプロセッサですらその7桁は速い。

 そのシリコンによって作られたAIはすでに死を超越し、炭素ベースの生命体では不可能なさまざまな環境で生存できる存在だ。

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References:"Artificial Intelligence is Billions of Years Old" | The Daily Galaxy/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:異星人は10億年前から存在するAI(人工知能)である。
アメリカの哲学者が主張
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