
猫は稀に、顔の左右がそれぞれ異なる毛色や柄を持ったキメラめいた個体が現れることがある。それはとても神秘的で魅力的だ。
生物学的には、1つの体の中に異なる遺伝情報を持つ細胞が混じっている状態を「キメラ」と呼ぶのだが、猫の場合は、左右で異なる毛色をもっているからといっても、生物学的なキメラであるかどうかは遺伝子検査をしてみなければわからないそうだ。
そして今回、キメラテイストの子猫がきょうだちたちと一緒に壁の中にいるところを発見され、保護されたという。
【民家の壁の中から発見されたキメラテイストの子猫】
3月下旬、アメリカ・テネシー州で引っ越し先の家の改装作業を行っていた一家は、壁の中から生後2~3週間と見られる2匹の小さなメスの子猫を発見した。
そのうちの1匹は、顔の左右で毛色が違う猫だったのだ。異質同体なその顔は、ギリシア神話に登場する生物「キマイラ」に由来する「キメラ」のようだ。
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家族は、母猫を探したが見つからなかった。もしかしたら孤児なのかもしれない。家族は同州ナッシュビルにある動物保護団体『ナッシュビル・キャットレスキュー』に連れて行った。
まだ小さな子猫たちには母親が必要である。そう判断した施設で里親ボランティアをしているキキさんは、2匹の子猫に、オリーブとピクルスという母猫たちを紹介した。
オリーブとピクルスは、最近子猫を産んだばかりで子育ての真っ最中。快く2匹の孤児猫を我が子同然に受け入れてくれた。
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【新しいママたちにすっかり馴染んだ子猫たち】
キメラテイストの猫はアプリコット、もう1匹のきょうだい猫はプレッツェルと名付けられた。新しいママたちにたっぷりの愛情を受け、他の子猫たちとも仲良くしているようだ。
アプリコットとプレッツェルを発見した家族は、保護施設で2匹が落ち着いていることに安心し、施設側に「養子縁組されたとしても一緒にいさせてあげてほしい」と頼んできたという。
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2匹をケアしているキキさんは、このように話している。
アプリコットとプレッツェルは、まだ少しシャイで、時に私に唸り声をあげて威嚇したりします。でも、この姉妹がお互いを愛し、一緒にいることで安全を感じていることは明らかです。
アプリコットがキメラなのかそうでないのかは、調べてみないことにはわからない。これについては、キキさんはインスタグラムで次のように綴っている。
キメラ猫は見た目の通り、2匹の猫が1つに合わさった顔をした猫です。生まれてくる前に胚が融合し、左右で違う遺伝子を持っているからです。
キメラ猫だと、虹彩異色症となり目の色が左右異なることもあります。アプリコットはまだ小さく、生後7週目ぐらいになるまではまだどのように目の色が変わるかはわかりません。
遺伝子検査は、アプリコットが本当のキメラであるかどうかを判断する唯一の方法ですが、どちらであってもアプリコットは他の猫と同様、かわいい猫なのです。
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今、2匹の子猫たちは施設の新しいママ猫のもとで世話を受け、すくすく元気に成長している。キキさんによると、数週間以内には養子縁組できるようになるということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:顔の半分が異なる柄のキメラテイストな子猫が住宅の壁の中から発見される(アメリカ) https://karapaia.com/archives/52300990.html
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