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アメリカ・カリフォルニア州でハイキングをしていた男性が、山火事に巻き込まれ遭難する事態が発生した。
所持していた携帯電話の充電が切れる直前、男性が友人に送信した写真を手掛かりに救助チームが捜索を開始した。
しかしなかなか男性の居場所を探し出すことができない。このままでは男性の命が危ない。
そこで保安官事務所は、SNSに写真を公開し情報提供を呼びかけた。すると、「写真から場所を特定するのが得意」というある人物により、見事男性の居場所が割り出され、無事に救助へと繋がった。『Inside Edition』などが伝えている。
【ハイキング中、山火事に巻き込まれ遭難した男性】
カリフォルニア州に住むルネ・コンペアンさん(46歳)は、ロサンゼルス国立有林にハイキングに出たが、サンガブリエル山地のマウントウォーターマン地域で遭難した。
コンペアンさんは、同地域で発生した山火事に巻き込まれ、目印が燃えてしまっていたために方向を見失ったようだ。
コンペアンさんは自分が遭難したこと、所持している携帯電話の充電が切れかけていることを伝えるため、今の自分の状況を撮影した1枚の写真を添えて友人に最後のメッセージを送った。
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【位置情報はオフになっていて、遭難場所の特定が難航】
その写真には、山火事に巻き込まれたとわかるようなコンペアンさんの汚れた膝下が写っており、座っているとみられる彼の足元には、急な斜面の渓谷が広がっている。
回りに目印となるようなものがないため、この写真だけではコンペアンさんがどこにいるかを判断するのは非常に困難だった。
友人は、すぐにロサンゼルス郡保安官事務所と救助隊に通報し、助けを求めた。
早速、救助隊はコンペアンさんの居場所の捜索を開始した。
しかし、コンペアンさんは携帯電話に自身の位置情報をオンにしていなかった。
また彼が友人に伝えたように電池が切れてしまった可能性もあり、救助隊はバックホーンキャンプ場の近くでコンペアンさんの車を発見するも、そこから先の足取りを掴むことができず、夜通しの捜索を続けたが、発見するに至らなかった。
【たった1枚の写真から遭難者の居場所を特定したSNSユーザー】
翌13日、ロサンゼルス郡保管官事務所はFacebookアカウントでコンペアンさんが友人に送信した写真をシェアし、ユーザーらに情報提供を呼び掛けた。
これに目を留めたのが、カリフォルニア州ニューベリーパークの自宅でパソコン前に座っていたベンジャミン・クオさんだった。
クオさんは、普段から衛星画像を使用して山火事を追跡することや、たった1枚の写真から、どこで撮影されているのかを特定することを趣味としている。
さすがクオさん、Facebookでシェアされた画像を見て、居場所をすぐに割り出し、保安官事務所に地図の座標を送付した。
非常に有力とみられる情報を得た救助隊は、その座標が示す場所にヘリで出動。クオさんの予想通り、そこにコンペアンさんがいたのだ!
【命を救われたハイカー、命の恩人と初対面】
チラオ・キャンプグラウンドの近くにいるコンペアンさんを上空から発見した救助隊は、念のためにコンペアンさんを病院へ搬送した。
幸いなことにコンペアンさんの健康状態は良好で、入院の必要はなかったようだ。
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後日、メディアの計らいで、コンペアンさんとクオさんは初対面を果たした。命の恩人であるクオさんに、コンペアンさんは感謝の言葉をこのように口にした。
36時間遭難して、もう助からないのではと思い始めていました。とても寒くて、あなたが見つけてくれなければ、私の命はなかったかもしれません。
実は、クオさん自身もハイキングをよくするそうで、コンペアンさんが遭難していた地域の知識が少なからずあったという。
しかし、それにしてもたった1枚の写真で居場所を特定することができるとは奇跡にに近い。凄腕の特定班だ。
クオさんは「私は奇妙な趣味を持っているんです」と笑っていたが、それによりコンペアンさんの命が救われたことは間違いなく、捜索に携わった保安官も「調査する価値のあるとても良い手掛かりをくれた」とクオさんの特技を称賛した。
救助隊や保安官事務所も何度も救助経験があり、それなりの知識を持ち合わせているはずなのだが、一般人の極まった趣味というのは、それを超越する場合があるということだね。クオさんはCIAにスカウトされるかもしれんな。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:海外の特定班グッジョブ!たった一枚の写真から遭難者の居場所を割り出し、無事救助につなげる(アメリカ) https://karapaia.com/archives/52301432.html
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