立派なイチモツを持つ巨大な地上絵「サーンアバスの巨人」は約1000年前のものと判明(イギリス)

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 イギリスの丘陵地帯には「ヒルフィギュア」と呼ばれる地上絵がいくつか点在している。中でも有名なのが、ドーゼット州ドーチェスターの北側にあるサーンアバス村近くの丘に刻まれた巨大な裸の男の地上絵だ。


 「サーンアバスの巨人」と呼ばれるこの地上絵の描かれた年代が、このほど科学的に調査され、およそ1000年前のものであることが判明したそうだ。

【記録があまり残されていなかったサーンアバスの巨人】
 「サーンアバスの巨人」と呼ばれるこの地上絵は、全長55メートルもある巨大なもので、地面に溝を掘り、そこに白亜を敷き詰めることで描かれている。全裸で、片手に棍棒を掲げ、巨大なイチモツは上を向いている。

 一度見たら忘れられそうもないデザインだが、一番古い記録は地元の教会に残されていた1694年のもので、それ以前のものはない。

 1617年、ジョン・ノードンという几帳面なことで知られていた地図制作者がそのあたりを調査しているが、その記録にも巨人についての言及はなかった。1000年前に作られて以来、なぜだか忘れ去られていたか、あるいは見て見ぬふりをされていたようである。
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Cerne Abbas Giant - 3D Model Flyover【年代調査により約1000年前に制作されたものと判明】
 今回の年代調査は、所有者であるナショナル・トラストの協力を得て昨年から行われていた。

 「光ルミネセンス年代測定」という方法で調べると、白亜に含まれる石英が最後に日光にさらされたのは650~1310年の間であることが判明。

 また土のデータは、制作が700~1100年頃であることを示していた。大体1000年前に描かれたということになる。
光ルミネッセンス年代測定とは?
石英や長石などの鉱物粒子がもつルミネッセンス特性を利用した地質年代測定法。地中に埋没していた鉱物粒子に光をあてる と、埋没中に粒子が浴びた放射線の蓄積量(単 位時間あたりの放射線量と埋没時間の積)に応 じた強さの光が生じる。
この光を、光(励起) ルミネッセンスと呼ぶ。
【なぜサーンアバスの巨人が作られたのか?】
 10世紀末はサーンアバスにベネディクト会(現代も活動するカトリック教会最古の修道会)が作られた時期でもある。

 もしかしたら、巨人はそれに対する住民の反応を示すものかもしれないという。つまり冒涜的な異教のイメージを丘に描くことで、反抗の意を表明したかったのかもしれないという。
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サーンアバスの巨人のイチモツ部分 credit:public domain/wikimedia
 これほど目立つのに、何百年間も誰も触れなかった理由は定かではない。1つには、大きすぎて地上からは何が描かれているのかわからなかった可能性が考えられる。あるいは、それほど大したものだと思われていなかった可能性もある。

 たとえば有名なストーンヘンジは今でこそ世界遺産などと祭り上げられているが、ほとんど注目されない時期もあったのだという。

 昨年11月、AmazonのPRチームが、新作映画『ボラット』のプロモーションのために、サーンアバスの巨人の股間に男性用ビキニを履かせるという改ざんを行ったことで、再び注目を集めていたようだ。

References:England's Cerne Abbas Giant Dates to Saxon Period | Smart News | Smithsonian Magazine/ written by hiroching / edited by parumo

記事全文はこちら:立派なイチモツを持つ巨大な地上絵「サーンアバスの巨人」は約1000年前のものと判明(イギリス) https://karapaia.com/archives/52302206.html
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