なんという世紀末覇者風。ハクトウワシから犬や猫の身を守るためのトゲトゲとスパイクがついたボディアーマー(アメリカ)


 アメリカの国鳥ハクトウワシは絶滅の危機に瀕していたが、2009年以降、徹底した保護活動が功を奏して、その個体数は増加の一途を辿っている。

 存続の危機を脱したのは良かったものの、今度は別のところで問題が生じてしまった。
空腹のハクトウワシがペットや家畜を狙うという事案が増えているそうだ。

 そこで注目されているのが、ゲトゲやスパイクのついたボディーアーマーだ。もともとコヨーテ対策として開発された商品だが、今やハクトウワシから身を守るためにのペットに着用させる飼い主が増えているという。

【ハクトウワシがペットや家畜を襲うトラブル】
 ハクトウワシは一時期、乱獲、森林伐採による営巣地の減少、汚染物質などによって個体数が激減し、絶滅危惧種に指定された。

 しかしその後の継続的な保護活動により、2007年に絶滅危惧種の指定リストから外されるまで個体数が回復した。

 それは非常に喜ぶべきことなのだが、一方で数が増えたハクトウワシがペットや家畜を襲うという事態が発生しているという。

 特にアラスカ州では、現在推定3万羽のハクトウワシが生息しているとされており、実際にペットが襲われたケースもある。

 そこで飼い主たちはこんな予防策を講じることに。
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pixabay
【スパイク付きボディアーマーでペットの身を守る飼い主】
 アラスカ州アンカレッジにあるペットショップ『AK Bark Pet Shop』の経営者マーク・ロボコフさんの話によると、ペットのコヨーテ対策として販売している「Coyote Vest(コヨーテベスト)」が飛ぶように売れているという。

 飼い主がハクトウワシからペットの身を守るために買い求めているのだ。

 ケブラー製の防弾チョッキには、スパイクがついている他、上から鳥を怖がらせる効果のある真っ赤な、もしくはカラフルなナイロンの長いトゲトゲもついている。

 まるで世紀末世界でヒャッハーしている人たちが来ているやつだ。
[画像を見る] [画像を見る]  これでは、さすがのハクトウワシでも上空から獲物を刈ることは難しいだろう。
ハクトウワシは、通常5キロ以上ある鮭でも刈ることができるほど、十分な力強さを持っています。それより軽い小型のペットは、彼らにとってなんでもないことでしょう。(ロボコフさん)
[画像を見る] 【ハクトウワシの個体数は20年前と比較して4倍以上に】
 アメリカ合衆国魚類野生生物局の最近の報告によると、2009年には72000羽だったハクトウワシは、2019年には4倍以上の316000羽を超えるまでに増えているという。

 しかし、これは北米48州での推定数であり、アラスカとカナダを含むと更に少なくと主150000羽以上のハクトウワシが確認されていると、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の非営利団体ハンコック野生生物財団は述べている。[画像を見る]  事実、同州の複数の住民は家畜のカナダガンや、羊、鶏などがハクトウワシに連れ去られる被害を受けている。

 最大翼幅が2.4メートル以上にもなるハクトウワシは、かつて北米の町で姿を見ることは珍しかった。

 今は、個体数が増えたおかげでよく目にする住民もいるが、ペットや家畜が襲われるとなれば、好意を持たない者も少なくないようだ。

 しかし、絶滅危惧種リストから外れても、ハクトウワシを殺したり所有したりすることは違法であり、ペットの飼い主らは自分たちの手で空腹なハクトウワシからペットを守らなければならないのだ。[画像を見る]  そうした理由から、現在売り上げが急増中だというコヨーテベスト。ペットショップのインスタグラムアカウント『coyotevestoco』では、ボディアーマーを着用した犬猫たちの姿がシェアされている。

 ちなみに、猫用もあるようだ。


 猫の場合おとなしく着てくれる個体がなかなかいなさそうだけど、迫力は満点、防御力は万全となるのだろう。[画像を見る] written by Scarlet / edited by parumo

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