次々と誕生する変異株が悩ましい、新型コロナウイルスと人類の戦いだが、どうやら東アジアでは2万年前にもコロナウイルスが大流行していた可能性があるようだ。それがようやく終息を迎えたのは、ほんの数千年前のことであるらしい。
『Current Biology』(6月24日付)に掲載された研究では、人間のゲノムの中にウイルス感染の爪痕が残されていないか探られている。
【日本を含む東アジアで、ヒトゲノムにコロナウイルスの痕跡】
オーストラリア・アデレード大学やアメリカ・アリゾナ大学などの研究グループが目をつけたのは、コロナウイルスと作用する「ウイルス相互作用タンパク質」の情報を持つ遺伝子変異だ。
これは大昔に我々の祖先がコロナウイルスと遭遇したことを示す痕跡と考えることができる。
1000人ゲノムプロジェクトのデータを利用して、世界26グループのゲノムを解析。すると問題のタンパク質が、日本、中国、モンゴル、北朝鮮、韓国といった東アジアの人々に存在していることが判明した。
この痕跡が出現したのは、どうやら2万5000年前であるらしい。それから2万年もの長期にわたり進化圧力として人間のゲノムに作用し続けた。それがようやく消えてなくなったのは紀元前3000年頃のことだ。
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【その詳細は謎。更なる研究が必要】
単一のコロナウイルスが長期間にわたって影響し続けてきたのか、それとも種類の違うウイルスが次々と出現したのかははっきりしない。
インフルエンザのように毎年きまった時期に流行していたのか、それともSARSやMERSのように5~10年の周期で動物から人間に広まっていたのかもわからない。
ついでに言うなら、それがコロナウイルスによるものと断言することもできない。
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【ゲノムの適応プロセス解明のヒント】
こうした研究は、過去に人間のゲノムがコロナウイルスに対してどのように適応してきたのか理解する手がかりになるとのこと。
これをヒントに、症状を緩和してくれると期待できる遺伝子変異を特定することもできるかもしれない。
References:Genome study discovers ancient coronavirus epidemic 20,000 years ago / A Coronavirus Epidemic Hit Humanity 20,000 Years Ago, DNA Study Reveals / written by hiroching / edited by parumo
記事全文はこちら:東アジアでは2万年前にもコロナウイルスが大流行していた可能性。ヒトゲノム研究で明らかに https://karapaia.com/archives/52303588.html











