謎に包まれた断崖絶壁にある妖精の城「パリガラ」(アゼルバイジャン)

Image credit:Interfase / WIKI commons
 東ヨーロッパと西アジアの交差点に位置する国家、アゼルバイジャンの断崖絶壁には神秘的なレンガ造りの建造物「パリガラ」がある。

 パリガラはアゼルバイジャン語で「妖精の城」を意味する。
世界でもっとも謎めいた遺物のひとつで、考古学者の興味を引きつけてやまない。

 ほぼ垂直に切り立った断崖絶壁に刻まれた、数世紀も前にさかのぼる遺物という以外、詳しいことはほとんどわかっていないのだ。

【断崖絶壁にある妖精の城「パリガラ」】
 アゼルバイジャン北西部のチャーダグラー村近くのコーカサス山脈の麓の崖の側面、高さ300メートルの場所には、謎めいた建造物がある。考古学的な価値があるはずのこの遺跡のことは、国内でもあまり知られていない。

 それは、この国の観光産業がまだ発展途上であることと、パリガラにたどり着くには、人里離れた道なき道を行かなくてはならないことが関係している。

 このような秘宝の常として、人里離れた未踏の地にひっそりとというのはよくある話だ。狭い道を四駆でひたすら進み、薮に覆われた非常に滑りやすい険しい斜面をよじ登るなど、誰にでもできることではない。

 アゼルバイジャンの妖精の城は、石灰岩のレンガでできたファサードを入ると、内部は窓付きの3つの部屋に分かれているという。この程度の情報しかないのは、実際にこの城まで到達した人間がほとんどいないからだ。

 2005年のアゼルバイジャン・インターナショナルの記事によると、1970年代に地元のマンマド・ダルドフという男性が、この困難極まりない岩壁を登ってパリガラに到達する偉業を成し遂げたが、それ以降、登った者は誰もいない。

 アゼルバイジャンで2度、レスリングのチャンピオンになったことのあるダルドフは、基部に細い木の幹をわたした、間に合わせの梯子を立てかけて、なんとかかんとか登り切ったという。
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【謎に包まれた妖精の城の伝説】
 いったい誰が、なんのためにこんなところに城を作ったのか、誰も本当のところは知らない。
一般的に言われているのは、"妖精の城"という名を想起させる伝説だ。

 話はモンゴルの皇帝チンギスハーンの時代にさかのぼる。地元の支配者の娘が、チンギスハーンから妻にと望まれた。おまえより美しい娘はいないのかとハーンに問われ、娘は自分の妹のパリの名を告げた。

 それを聞いたハーンは、パリも自分のハーレムに加えようとした。それを嫌がったパリは、ハーンの手の届かない高い崖の上に城を築かせ、そこへ閉じこもった。

 しかし、モンゴル軍が崖の下に陣取り、捕まるのは時間の問題だった。パリは自ら城から飛び降り
て死んだという。これが広く伝えられている話で、残念ながらパリガラの歴史に関する情報はこれしかない。
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【到達困難な要塞のような城】
 ひとつだけ確かなのは、パリガラを作った者が誰であれ、この場所に安全を求めていたということだ。石灰岩の摩耗から、ここに長い間人が住んでいたことが示唆されている。

 敷地内には、オーク材の梁で補強された40メートルの階段と屋根付きの歩道があるが、それでもここに到着するには相当な力と登山スキルが必要となる。

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 パリガラは、岩壁のてっぺんの踊り場のような所に隠れるように存在していて、超強力なモルタルで固められた石灰岩のレンガでできた建造物が、山肌と同化するように建てられている。

 踊り場の上部は崩れてかけているようで、これが以前よりもさらに近づくのを危険にしている。ジャーナリストのロニー・ギャラガーによると、ここまで登ってくるのには、驚異的な敏捷性と登山技術が要求されるため、気の弱い人にはとても無理だという。

 これまでこの城の内部を見た数少ないひとりであるダルドフによると、中にはそれぞれに窓のついた3つの部屋があり、壁に囲まれた通路で城のメインへと続いているという。そこにはさらにふたつの部屋があるらしい。
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 パリガラが、4世紀から8世紀のカフカス・アルバニア王国時代にさかのぼる建造物らしいと言われていることを考えると、時の流れや風雨に驚くほどよく耐えてきた。

 パリガラの起源と建造の目的は、解明されることはないかもしれないが、それもまた魅力のひとつでもある。

 ドローン撮影したパリガラの映像はここから見ることができる。

References:Parigala – Azerbaijan’s Mysterious Fairy Castle / written by konohazuku / edited by parumo

記事全文はこちら:謎に包まれた断崖絶壁にある妖精の城「パリガラ」(アゼルバイジャン) https://karapaia.com/archives/52303653.html
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