自分の誕生日に死ぬ確率が高くなる「誕生日効果」は本当なのか?その根拠となる4つの理論

pixabay
 私くらいの歳になると、誕生日の前日にUターンして、今後一切誕生日を迎えることなく年齢をストップさせたいわけだけど、そんな願いは叶うわけもなく、また今年も1つ年齢数が加算されるわけだ。

 まあでも、この世に生を受けた以上役割があるわけだし、「お母さん、産んでくれてありがとう!」とまでは言えないまでも、与えられた役割を探す旅を今後も続けていくことになるだろう。
という自分語りをうっかりしてしまったが、本題となるのは「誕生日効果」だ。

 「誕生日効果」とは、自分の誕生日とその前後は死亡する確率が高くなるというものだ。なぜそうなるのか?明確な科学的根拠は不明だが、4つの理論が成り立つという。

■ 誕生日効果における統計調査

 実際に誕生日前後に死亡する確率が高まるという統計結果が出ている。

 『Insider』によると、2012年のスイスの調査では、60歳以上の人は別の日よりも自分の誕生日に死亡した人が13.8%多いことが判明している。

 1969年から1990年の間に死亡した約300万人のアメリカ・カリフォルニア州の記録を調べた別の調査では、それぞれの誕生日もしくはそれに近い日に死亡している確率は他の日よりも高かったという。

 現時点では科学的に「誕生日効果」が起きる理由について、明確な発見ができていないが、この現象が起こりうる可能性のある4つの理論が推測されている。【1.外的要因によるもの】

[画像を見る]
pixabay
 1つ目は外的要因によるものだ。特に40歳未満の人々は、誕生日をアルコールで祝う傾向があるため、飲酒運転やアルコール中毒などの状況に関連する致命的な事故の犠牲者になる可能性が高いという。【2.心理的要因によるもの】

[画像を見る]
pixabay
 2つ目として、たとえば末期症状の病を患っている人は、次の誕生日まで頑張って生きようという目標を抱えていることがある。

 一方で、人生は永遠に続くものではないというストレスを感じている人たちは、誕生日を死の目標とする人もおり、そうした心理的要因が誕生日前後の死の確率を高めているという。【3.生理学的理由によるもの】

[画像を見る]
pixabay
 3つ目の理論は、生理学的理由に関連しているというもの。


 私たちの体は24時間周期の体内時計と1年周期の生体リズムで動いていると考えられている。生まれた日がちょうど生体リズムの境となり、体がストレスを感じ、死に至るのではないかと指摘する科学者もいる。【4.不正確な記録によるもの】

[画像を見る]
photo by iStock
 4つ目は、死亡日の記録が誤っている可能性があるという理論だ。

 死亡届には死亡日と誕生日を記述する欄があるのだが、それを混同してしまい、死亡日の欄に誤って誕生日を記述してしまうという、事務的なミスが発生している可能性もあるという。

 正確な死亡日が不明だった場合、海外では代わりに1日と15日が差し引かれることが多く、誕生日に近い日付になってしまうケースもあるそうだ。
[画像を見る]
photo by Pixabay
【今ある生を全うしよう】
 「誕生日効果」のことを知ったからといって、誕生日前後にストレスを抱える必要はない。そもそも生には限りがあり、死は万人に平等の宿命である。

 そもそも、いつどこで何が起きるかなんてわからない。誕生日であろうとなかろうと、死はいつも隣り合わせにあるのだ。

 「誕生日効果」を知ることで唯一利点があるとすれば、自分の命には必ず終わりがあり、毎日を精一杯生きるということを、思い出させてくれることだ。

written by Scarlet / edited by parumo

記事全文はこちら:自分の誕生日に死ぬ確率が高くなる「誕生日効果」は本当なのか?その根拠となる4つの理論 https://karapaia.com/archives/52303860.html
編集部おすすめ