子だくさんのリカオンはどのように子供たちに餌を分け与えているのか?その瞬間をとらえた貴重な映像

 アフリカを代表するイヌ科の動物「リカオン」はゾウやキリン、ライオンなどに比べて知名度は低いが高度な社会性と身体能力を持つ魅力的な生き物だ。

 リカオンは複数のオスと複数のメス、その子供たちで「パック」と呼ばれる群れをつくり、オスとメスが共同で協力しあって餌をとったり子育てをする。


 この映像は大人のリカオンが狩りをして、捕ってきた獲物を子供たちに分け与えるところを撮影したものだ。獲物を口にくわえて持ってくるわけじゃない。独特の方法で持ち帰って来るのだ。

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Rare footage of African Wild Dogs (Painted Wolves) returning to their den to feed puppies [4K GoPro]【子供たちに獲物を分け与えるリカオン】
 南アフリカのカラハリ砂漠近くの私営動物保護区で活動している団体「Working with Wildlife」は、リカオンがが、お腹をすかせた子供たちに餌を与えるために巣穴に戻ってくる様子を、美しい4K映像で撮影した。

 リカオンはイヌ科の肉食獣で、「パック」と呼ばれる群れで暮らしている。狩りも仲間と協力して行う。オスとメスに役割の差はなく共同で行う。

 大人のリカオンは1日に平均10キロメートルを移動し獲物を追い求める。獲物が見つからないときは2.3日間何も食べずに探し続ける。そして獲物を見つけると、時速50キロ以上のスピードで一気に仕留める。

 そうして仕留めた獲物は巣穴に戻って子供や仲間たちに分け与える。その方法は一旦獲物を飲み込み、子供たちの前で吐き出すのだ。

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 リカオンは1度の出産で2~ 20頭の幼獣を産む。その為子だくさんになる場合が多い。群れに子供がいる場合には子供に優先的に餌を分け与える。

 幼獣は生後11週間で巣穴の外に出て、生後6か月で狩りに加わる。生後1年を過ぎるころには狩りができるようになり、 2年で大人になる。寿命は10~12年と考えられている。
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【アフリカの狩猟犬とも呼ばれるリカオンは絶滅危惧種】
 その卓越した身体能力と、社会性の高さから、アフリカの肉食獣の中では狩りの成功率がもっとも高いとされているリカオンだが、現在絶滅の危機に瀕している。

 交通事故や狩猟、罠や毒による駆除、イヌからの伝染病などが原因と考えられているが、特定の縄張りを持たないため、広大な生息環境を必要とするが、自然破壊によりその生息域が狭くなってしまったことも関係している。
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 個体数の減少に歯止めがかからないのは、人間がリカオンのことを良く知らない、知ろうとしないことも関係していそうだ。

 仲間思いで、高い社会性を持ち、子供思いのリカオン。その社会構造は人間の家族とよく似ているという。

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