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image by:Love Dalen/Stockholm University
ロシア、シベリアの永久凍土の奥深くから、氷河時代(更新世)を生きた2頭のホラアナライオンの子どもの死骸が見つかった。
そのうちの1頭は今にも目を覚ましそうなほど保存状態は完璧で、毛皮は泥で固まっているものの、それ以外に損傷はなくヒゲまでちゃんと残っていた。
今回新たに行われた研究で、2頭の関係や、大昔に絶滅してしまったこの種が、雪に覆われた厳寒の北の大地で、当時どのように寒さをしのいでいたのかが明らかとなった。
【ホラアナライオンは現在のライオンとは別の種】
最近、ロシアの研究者ゲナディ・ボエスコロフとアレクセイ・ティホノフが主導する、ロシア科学アカデミーとスウェーデンの古遺伝学センターの研究チームが、2頭のホラアナライオンの子どものミイラを再び調査した。
「スパルタ」と「ボリス」と名づけられたこの2頭は、数年前にシベリアの Semyuelyakh川の岸辺で発見された。この研究結果は、学術誌『Quaternary』に発表されている。
研究者たちは、1年前にこの2頭に関する研究を発表し、絶滅したホラアナライオン(Panthera spelaea)は、サハラ砂漠以南のアフリカにいる現在のライオン (Panthera leo)とは別の種であることを明らかにした。遺伝子分析の結果、この2種はおよそ190万年前に枝分かれしたことがわかった。
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image by:Love Dalen/Stockholm University
【解剖学的特徴を新たに分析】
今回、研究チームは、2頭の解剖学的特徴を新たに分析した。
これまで、ホラアナライオンの姿形を理解するために、洞窟に描かれた姿を参考に、アフリカライオンとの比較を行ってきたが、この稀有な2頭は絶滅した種の姿を初めて見せてくれた。
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ホラアナライオンの子供「スパルタ」のミイラ / image credit:Love Dalen/Stockholm University
【分厚いし下毛で寒さをしのいでいた】
スパルタ(メス)は、氷河時代の生き物としてとくに保存状態がいいと言われている。
黄金の毛皮は少しもつれているとはいえ、ほとんど損なわれていないし、歯、皮膚、軟組織、内臓も見事に残っている。
スパルタの毛皮は、アフリカライオンの子どものものとよく似ているが、寒冷な気候に耐えるために、長く分厚い下毛があることが特徴だ。
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保存状態の良いホラアナライオンの子供「スパルタ」のミイラ / image credit:Love Dalen/Stockholm University
【2頭のホラアナライオンの関係性】
スパルタとボリスはすぐそばで一緒に発見されたため、最初はきょうだいだと思われていたが、放射性炭素年代測定によって、スパルタは2万7962年前、ボリスは4万3443年前に生きていたことがわかった。
このたびの研究で、スパルタもボリスも、生後1~2ヶ月頃に死んだことがわかった。捕食者や掃除屋に死骸が荒らされた形跡はなかったが、頭蓋骨はひび割れ、肋骨は折れ、全身は異様に変形していた。
この検死から、2頭は約1万5000年を隔てて起こった別々の土石流で死んだのではないかと考えられる。
【ホラアナライオンは1万4000年前に絶滅】
更新世後期、ホラアナライオンは、東シベリアに広く分布していたが、この種が生息していた痕跡は、ユーラシア大陸の大部分や、現代の北米アラスカあたりでも発見されている。
更新世時代の大型動物の多くと同様、ホラアナライオンもおよそ1万4000年前、最終氷河期の終わりに起きた第四紀の大量絶滅 滅んだ。
しかし、幸いなことに、シベリア永久凍土が冷凍庫の役割をしてくれたおかげで、遺骸の標本が非常に良好な状態で保存され、彼らのかつての生活の様子をうかがい知ることができたというわけだ。
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ロシア、シベリアの永久凍土の奥深くから、氷河時代(更新世)を生きた2頭のホラアナライオンの子どもの死骸が見つかった。
そのうちの1頭は今にも目を覚ましそうなほど保存状態は完璧で、毛皮は泥で固まっているものの、それ以外に損傷はなくヒゲまでちゃんと残っていた。
今回新たに行われた研究で、2頭の関係や、大昔に絶滅してしまったこの種が、雪に覆われた厳寒の北の大地で、当時どのように寒さをしのいでいたのかが明らかとなった。
【ホラアナライオンは現在のライオンとは別の種】
最近、ロシアの研究者ゲナディ・ボエスコロフとアレクセイ・ティホノフが主導する、ロシア科学アカデミーとスウェーデンの古遺伝学センターの研究チームが、2頭のホラアナライオンの子どものミイラを再び調査した。
「スパルタ」と「ボリス」と名づけられたこの2頭は、数年前にシベリアの Semyuelyakh川の岸辺で発見された。この研究結果は、学術誌『Quaternary』に発表されている。
研究者たちは、1年前にこの2頭に関する研究を発表し、絶滅したホラアナライオン(Panthera spelaea)は、サハラ砂漠以南のアフリカにいる現在のライオン (Panthera leo)とは別の種であることを明らかにした。遺伝子分析の結果、この2種はおよそ190万年前に枝分かれしたことがわかった。
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【解剖学的特徴を新たに分析】
今回、研究チームは、2頭の解剖学的特徴を新たに分析した。
これまで、ホラアナライオンの姿形を理解するために、洞窟に描かれた姿を参考に、アフリカライオンとの比較を行ってきたが、この稀有な2頭は絶滅した種の姿を初めて見せてくれた。
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ホラアナライオンの子供「スパルタ」のミイラ / image credit:Love Dalen/Stockholm University
【分厚いし下毛で寒さをしのいでいた】
スパルタ(メス)は、氷河時代の生き物としてとくに保存状態がいいと言われている。
黄金の毛皮は少しもつれているとはいえ、ほとんど損なわれていないし、歯、皮膚、軟組織、内臓も見事に残っている。
スパルタの毛皮は、アフリカライオンの子どものものとよく似ているが、寒冷な気候に耐えるために、長く分厚い下毛があることが特徴だ。
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保存状態の良いホラアナライオンの子供「スパルタ」のミイラ / image credit:Love Dalen/Stockholm University
【2頭のホラアナライオンの関係性】
スパルタとボリスはすぐそばで一緒に発見されたため、最初はきょうだいだと思われていたが、放射性炭素年代測定によって、スパルタは2万7962年前、ボリスは4万3443年前に生きていたことがわかった。
このたびの研究で、スパルタもボリスも、生後1~2ヶ月頃に死んだことがわかった。捕食者や掃除屋に死骸が荒らされた形跡はなかったが、頭蓋骨はひび割れ、肋骨は折れ、全身は異様に変形していた。
この検死から、2頭は約1万5000年を隔てて起こった別々の土石流で死んだのではないかと考えられる。
【ホラアナライオンは1万4000年前に絶滅】
更新世後期、ホラアナライオンは、東シベリアに広く分布していたが、この種が生息していた痕跡は、ユーラシア大陸の大部分や、現代の北米アラスカあたりでも発見されている。
更新世時代の大型動物の多くと同様、ホラアナライオンもおよそ1万4000年前、最終氷河期の終わりに起きた第四紀の大量絶滅 滅んだ。
しかし、幸いなことに、シベリア永久凍土が冷凍庫の役割をしてくれたおかげで、遺骸の標本が非常に良好な状態で保存され、彼らのかつての生活の様子をうかがい知ることができたというわけだ。
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