推理ドラマなどでおなじみの、捜査官が指紋を探しだすシーン。現場に残された指紋は、犯人を突き止めるための大切な手がかりとなる。
だが今後はそれにくわえて「汗」を探すシーンが一般的になるかもしれない。最新技術で汗を分析すれば、年齢、性別はもちろん、最近食べたものから体調までさまざまな情報を手にとるようにわかるという。
汗に含まれる成分で人体の様々な情報を知ることができる 指先からは常に汗が分泌されている。だから指で何かに触れれば、そこに汗が付着し、指先の微細な凹凸に沿って模様ができる。これが指紋だ。
指紋は人によって形が異なるため、犯罪捜査に利用されていたが、だが汗自体にもいろいろな情報が含まれている。
汗は血液の水分から作られる。だから血液に含まれている化学物質も一緒に流れ出している。それを調べれば、人体のさまざまな情報を知ることができるのだ。
英シェフィールド・ハラム大学のシモーナ・フランシス博士が研究しているのは、それを調べる方法だ。
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汗が教えてくれる、年齢、性別、最近食べた物 たとえば、あなたが朝食でコーヒーを飲んだとしよう。その汗を調べれば、血液に含まれるカフェインなどにより、コーヒーを飲んだことがわかってしまう。
コーヒーにちょっとブランデーを垂らしてみたり、あるいは麻薬なんて吸っていたりすれば、当然バレる。
あるいは汗からお肉が好きか、それともベジタリアンかを判別する方法や、生物学的な性別や年齢まで特定する方法も研究されている。
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健康状態やストレスを探ることもできる フランシス博士の研究は、なにも犯罪捜査だけのものではない。
その技術を応用すれば、体調管理に役立てることもできる。たとえば、汗にはガンの兆候や、ストレスを感じているどうかを知る手がかりが残されているという。
あるいは日々の運動に役立てるなんてこともできるかもしれない。肌にペタッと貼り付けるパッチ型デバイスやスマートウォッチなどを利用すれば、体の中の乳酸の変化を把握できるだろうからだ。
そのデータをもとに、自分に合わせてトレーニングのメニューを調整できるし、チームスポーツなら選手交代の目安にするなんてことも考えられる。
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汗センサーを利用したアルコール検出 また汗から体内のアルコールも検出できるので、飲みすぎてしまったとき、スマホがタクシーの利用をお勧めしてくれるシステムも開発できるだろう。
あるいは将来の車は、汗センサーに指をあてて、酔っ払っていないことを証明してからでないと運転できないようにもなるかもしれない。
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これを利用すれば血糖値を手軽に知ることもできるのではないだろうか? とひらめく人もいるかもしれない。だが、これは意外と難しいようだ。
というのも、皮膚にはブドウ糖を食べる細菌がいて、正確な計測を邪魔すると考えられるからだ。
それでもいつか問題が克服されて、針を刺さなくてもきちんと血糖値を測れるようになるのなら素晴らしいことだ(なお、針なしで血糖値を測定するセンサーはすでに存在する)。プライバシーの問題は? 一方で、どこかに残してきた汗から、自分の体のさまざまな情報が抜き取られる可能性はあまり気分の良いものではない。
警察以外にも保険屋など、個人の体の情報を知りたい人たちはたくさんいるだろう。知らないうちにプライベートな情報が盗まれる状況は、人権にも抵触するかもしれない。
似たようなことは、DNAについて言える。たとえば国によっては、警察が髪の毛や捨てられた紙コップに付着した唾液からこっそりDNAを採取することが許されているそうだ。
ということで、あなたの体の秘密は汗からも抜き取られる可能性を覚悟しておいた方がよさそうだ。今使ってるそのスマホ、いくらロックしたところで、外側についた汗があなたの秘密を暴いてしまうかもなのだから。
References:Pores for thought: how sweat reveals our every secret, from what we’ve eaten to whether we’re on drugs | Science | The Guardian
/ written by hiroching / edited by parumo
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