完コピですやん!赤ちゃんの泣き声からチェーンソーまで究極の再現度で音真似する鳥、コトドリ
 オーストラリアに生息する「コトドリ(Menura novaehollandiae)」はとても美しく、かつ複雑な歌声で知られている。

 イギリスの動物学者デイビッド・アッテンボロー卿は、その歌声をあらゆる鳥の中で「もっとも精巧で、もっとも複雑で、もっとも美しい」と評している。

 確かにコトドリは最高の歌い手かもしれない。だがそれ以上に、モノマネの才能は、それ上回るほど天才的なものだ。じつはその歌声は、自分のオリジナルではなく周囲から聞こえてくる音を真似したもので脅威の再現力なのである。

子供の泣き声を完コピ! たとえばオーストラリア、シドニーにあるタロンガ動物園には「エコー」と呼ばれる7歳のコトドリがいる。

 この子は子供の泣き声を完全にコピーすることができる。実際に聞いてみるといい。目をつぶるとそれがモノマネなのか、それとも本物の赤ちゃんの声なのかほとんど区別できないはずだ。  タロンガ動物園は新型コロナの影響で長らく閉館になっていたが、その期間中エコーは新たに2つの音を覚えたという。

 電動ドリルの音でと、火災報知器の音だ。更に「今すぐ避難してください(evacuate now!)」というアナウンスまで覚えてしまったそうだ。

 こちらの動画はまだなさそうだが、そのうち公開されるだろう。様々な音を究極の再現度でコピーするコトドリ またアッテンボロー卿が出演するBBCの動画では、ワライカワセミの声まね(1:14)カメラのシャッター音(2:00)、カメラのモーター作動音(2:10)、車の警報(2:13)など、さまざまな自然界には存在しない音のモノマネを披露している。

 圧巻なのは、チェーンソーやノコギリで木を切り倒す音(2:30)だ。ギュイーンといったチェーンソーの作動音やギコギコとノコギリで切る音まで完コピしている。

[動画を見る]

Amazing! Bird Sounds From The Lyre Bird - David Attenborough - BBC Wildlifeなぜコトドリは声まねの天才なのか? これほど高度なモノマネ技術があるもかかわらず、コトドリの声帯はほかの鳥に比べてシンプルな作りをしているのだという。声帯の筋肉は4対ではなく、3対しかない。このため比較的原始的なものなのだと考えられている。

 モノマネをする理由はよくわかっていない。オスもメスも1年を通して鳴く。

 だがオスの場合、冬の繁殖期に特によく鳴くことから、求愛に関係していると考えられている。またメスは捕食動物のモノマネをすることが多く、そのため身を守るためではないかと推測されている。

 またコトドリの歌声は文化的に伝えられるものなのだという。つまり遺伝によって親から子へのみ受け継がれるわけではなく、学習によってさまざまな個体に受け継がれるのだ。

 だから兄弟やまったく無関係な個体も同じ歌声を響かせる。歌声は何世代にもわたって受け継がれ、数十年経ってもほとんど変化することがないそうだ。

Top image:iStock / References:" target="_blank" title="">A Bird in an Australian Zoo Has Learned to Perfectly Mimic a Crying Human Baby / written by hiroching / edited by parumo

追記:(2021/09/10)本文を訂正して再送します。

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