
飼い主が家に帰ってくると、ちぎれんばかりに尾っぽを振って出迎えてくれる犬。尾を振るのは、犬全般に見られる共通の行為だが、それは私たち人間と共に長い間暮らしてきたからそういう習慣がついたのだろうか?
犬の原種であり親戚でもある野生のオオカミも、同じように、うれしいこと尾を振るのだろうか?
答えはイエスだ。
オオカミは群れの仲間と再会した時に尻尾を振る オオカミが尻尾を振るのは、ほとんどの場合、コミュニケーションをとるための挨拶行動なのです」と語るのは、オーストリア、ウィーン獣医大学コンラート・ローレンツ動物行動学研究所の上級研究員、サラ・マーシャル=ペシーニ氏だ。
群れの仲間に再び出会ったとき、尾を振ったり、その他の挨拶行為をするのは、犬が人間や他の好きな犬に会ったときに行う行為と似ているという。再会できたことを喜んでいるのだ。
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尻尾の振ることは従属の合図 オオカミの群れはたいてい、群れを率いる子育て中のオスとメス、その子ども、子育てをしていない大人の個体で成り立っている。
挨拶として尾を振るのは、群れの中での彼らの地位を伝達するための数ある方法のひとつなのだ。
低い位置で尾を素早く振るのは従属のしるしだ。支配者と従属者のこうした行動の違いは、食料などの資源をどちらが優先的に手に入れられるかを示す簡単な方法だ。
マーシャル=ペシーニによれば、これは究極の争い回避行動だという。「互いの役割をはっきりさせることで、顔を突き合わせるたびに、いちいち争う必要がないようにするための方法なのです」
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オオカミの群れにおける力関係 子育て中のオスとメスは、群れの中で最高位にいて、ほかのメンバーのランクは、年上のほうが年下よりも上というように、年齢によってはっきり決められている。
マーシャル=ペシーニは、オオカミの群れの家族間の力関係は、人間のそれとある意味似ているという。
こうした行為は、子どもの時から始まる。オオカミの社会では、大人や年上のきょうだいは、子どもをおいて狩りに出かける。
彼らが戻って来たときに、子どもたちは大人のオオカミたちに挨拶する。
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しかし、これは単に自分の地位を示すだけでなく、口を舐めることで、大人からエサをもらうためのひとつの合図だという。
生後3週間から、オオカミの子どもたちは、母親の母乳にあまり頼らなくなり、群れの大人が吐き戻した獲物の肉を食べるようになる。
口を舐めるのは、大人のオオカミの吐き戻しを促すことになり、知らず知らずのうちに、こうした挨拶行為が子どもがエサを得るのを助けている。
子どもたちは生後6週半ごろになると、こうした吐き戻し肉から普通の肉の食事に替わるが、口を舐めたり、尾を振るといった挨拶行為はそのまま続ける。
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犬が尻尾を振って人間の顔を舐めるのはオオカミ時代から続く行為 普通の飼い犬も、私たち人間を尻尾振って迎え、顔を舐めたりすることがよくある。だが、これはオオカミのように上位の仲間に挨拶するために駆け寄る行為とは少し違う。
人間が顔を舐めさせるのはやめさせ、犬もそれを学んで舐めるのはやめることはある。だが、尾を振る行為は、オオカミ時代からの挨拶行動の名残としてまだ残っているのだろう。
References:Do wolves wag their tails? | Live Science / written by konohazuku / edited by parumo
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犬の原種であり親戚でもある野生のオオカミも、同じように、うれしいこと尾を振るのだろうか?
答えはイエスだ。
オオカミも尻尾を振る。その理由もとてもかわいいものだ。群れの仲間と再会したときに「また会えてうれしい」という意味があるという。
オオカミは群れの仲間と再会した時に尻尾を振る オオカミが尻尾を振るのは、ほとんどの場合、コミュニケーションをとるための挨拶行動なのです」と語るのは、オーストリア、ウィーン獣医大学コンラート・ローレンツ動物行動学研究所の上級研究員、サラ・マーシャル=ペシーニ氏だ。
挨拶行動は、従属的な個体が支配的な個体に対して行う効果的な行為で、仲間がバラバラになった後、再会するときに行われますオオカミは常に同じ群れの中にいるわけではない。狩りのときに小さな集団に分かれたり、一頭だけでさまよい歩くこともある。
群れの仲間に再び出会ったとき、尾を振ったり、その他の挨拶行為をするのは、犬が人間や他の好きな犬に会ったときに行う行為と似ているという。再会できたことを喜んでいるのだ。
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尻尾の振ることは従属の合図 オオカミの群れはたいてい、群れを率いる子育て中のオスとメス、その子ども、子育てをしていない大人の個体で成り立っている。
挨拶として尾を振るのは、群れの中での彼らの地位を伝達するための数ある方法のひとつなのだ。
低い位置で尾を素早く振るのは従属のしるしだ。支配者と従属者のこうした行動の違いは、食料などの資源をどちらが優先的に手に入れられるかを示す簡単な方法だ。
マーシャル=ペシーニによれば、これは究極の争い回避行動だという。「互いの役割をはっきりさせることで、顔を突き合わせるたびに、いちいち争う必要がないようにするための方法なのです」
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オオカミの群れにおける力関係 子育て中のオスとメスは、群れの中で最高位にいて、ほかのメンバーのランクは、年上のほうが年下よりも上というように、年齢によってはっきり決められている。
マーシャル=ペシーニは、オオカミの群れの家族間の力関係は、人間のそれとある意味似ているという。
人間の場合でも、年下の弟に言わせれば、兄貴のほうが権威を示している、ということになるでしょう。そして、資源の共有を取り決めるのは最高位の親なのです尻尾を振った相手の口を舐める行為の意味は? オオカミが尻尾を振るのは、通常は唇を舐める行為とセットになっている。たいていは従属的なオオカミが支配的なオオカミの口を舐めようとする。
こうした行為は、子どもの時から始まる。オオカミの社会では、大人や年上のきょうだいは、子どもをおいて狩りに出かける。
彼らが戻って来たときに、子どもたちは大人のオオカミたちに挨拶する。
オオカミの子どもたちが一斉に大人に駆け寄り、低い位置で尻尾を振ったり、口を舐めたりという挨拶行為をしているのを見ることができるでしょう
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しかし、これは単に自分の地位を示すだけでなく、口を舐めることで、大人からエサをもらうためのひとつの合図だという。
生後3週間から、オオカミの子どもたちは、母親の母乳にあまり頼らなくなり、群れの大人が吐き戻した獲物の肉を食べるようになる。
口を舐めるのは、大人のオオカミの吐き戻しを促すことになり、知らず知らずのうちに、こうした挨拶行為が子どもがエサを得るのを助けている。
子どもたちは生後6週半ごろになると、こうした吐き戻し肉から普通の肉の食事に替わるが、口を舐めたり、尾を振るといった挨拶行為はそのまま続ける。
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犬が尻尾を振って人間の顔を舐めるのはオオカミ時代から続く行為 普通の飼い犬も、私たち人間を尻尾振って迎え、顔を舐めたりすることがよくある。だが、これはオオカミのように上位の仲間に挨拶するために駆け寄る行為とは少し違う。
人間が顔を舐めさせるのはやめさせ、犬もそれを学んで舐めるのはやめることはある。だが、尾を振る行為は、オオカミ時代からの挨拶行動の名残としてまだ残っているのだろう。
References:Do wolves wag their tails? | Live Science / written by konohazuku / edited by parumo
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