ダム湖に沈んでいた知られざる古代ローマ都市が出現
Photo by:Zeynel Cebeci / WIKI commons
 トルコ中南部の都市、アダナ(別名セイハン)にあるセイハンダム湖の水位が干ばつで下がり、ローマ帝国の第2代皇帝ティベリウスが作った古代都市がその姿を現わした。

 この古代ローマ都市の起源は紀元前58年にさかのぼり、紀元29年まで繁栄した。その後あまり人が住んでいなかったせいで、1955年9月19日にセイハンダム湖が氾濫するまで、この周辺はまるで手つかずのままだった。

 今日、アダナの住民を含め、この古代都市の存在を知らない者も多い。

水没した古代ローマ都市 オスマニエ・コルク・アタ大学の講師ファティ・エルハン氏によると、完全に水没してしまう何年も前に、考古学者マフムート・アコックの研究チームがこの古代都市を調査していたという

 城壁や大理石の柱に囲まれたこの都市は、広さおよそ1キロ×1.5キロで、大きな野外劇場を備えていたようだ。水位が上昇して町が沈んでしまったため、発掘作業ができたのはわずか10日だった。

 そして今、この古代都市の一部が、湖の上に島のように姿を現わした。周辺住民は、この珍しい機会を利用して、ここで動物を放牧しているという。 干ばつによりダム湖の水位が下がる セイハンダム湖の水位が大幅に下がった原因は干ばつだった。

 地元住民のムスタファ・トカリ氏は、毎年のことだが、この夏はとくにひどく、やはり地球温暖化の影響なのかもしれないと話す。

 別の住民、ヤハヤ・ベベック氏によると、出現した町には、まだ残っている階段や劇場を今でも見ることができ、使われている石はどれも車1台よりも大きいという。

 年配者たちは、都市の地下には迷宮があり、墓石も見つかったと噂している。

 ひょっとしたら今後、心躍るような発見があるかもしれない。都市が再び水中に沈んでしまわなければの話だが。

References:Augusta Antik Kenti'nin bir bolumu baraj golunde suların cekilmesiyle gun yuzune cıktı / written by konohazuku / edited by parumo

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