
様々な恐怖症があるが、クモ恐怖症(アラクノフォビア)は世界的に見ても上位で、蜘蛛に異常な恐怖感を抱く人は多い。
苦手というレベルならまだ日常生活を営めるが、クモ恐怖症を持つ人は、蜘蛛がいそうな場所、蜘蛛の巣を見ただけで落ち着かなくなる。
多くの蜘蛛はダニやノミなどの害虫を食べてくれるいわば益虫だ。せめて家の中にいる小さなクモくらい冷静に対処できる程には慣れておいた方がいいだろう。
そこで開発されたのが『Phobys』という拡張現実アプリだ。まずはヴァーチャルの蜘蛛に慣れることで、恐怖をやわらげようというのだ。
恐怖症の克服に有効な暴露療法 恐怖症を克服する方法の1つとして、「暴露療法」がある。これは認知行動療法の一種で、恐怖や不安を感じさせる物に段階的に接触することで、少しずつ慣れ、不安を解消していくというやり方だ。
だが、そもそもクモ恐怖症の人は、蜘蛛には絶対に近寄りたくないという根本的な問題がある。患者から拒否される治療法など、あまり意味がない。ヴァーチャルのクモで恐怖症を克服 そこでスイス、バーゼル大学の研究グループは、本物のクモの代わりにヴァーチャルの蜘蛛を利用して、ゲーム感覚で恐怖症を治す方法を考案した。
それが『Phobys』という拡張現実アプリだ。
このアプリは、カメラで撮影した空間にリアルなCGクモを投影させる。
[画像を見る]
Photo by:University of Basel, MCN
治療はゲーム感覚で進められる。9つのレベルの課題が設定されており、それを1つ1つクリアしながら、恐怖症を乗り越えていく。
もちろんクリアするほどに難易度は上がるが、祝福メッセージやアニメーションなどで、ユーザーのモチベーションを維持する仕掛けもある。治療効果は学術的に確認済み その効果は折り紙つきだ。『Journal of Anxiety Disorders』(21年7月2日付)に掲載された研究では、Phobysで実際にクモ恐怖症が和らぐことが確認されている。
クモ恐怖症の患者66人が参加した実験では、2週間にわたりPhobysによる30分のセッションを6回実施。その結果、本物のクモを見たときの恐怖感や嫌悪感が「有意に低下」することがわかった。
Phobysは、App StoreとGoogle Play Storeで入手できる。気になる人は、無料のトライアル版で、クモ恐怖症レベルをチェックしてみよう。ただし実際の治療には有料版が必要だ。
Start | phobys
[画像を見る]
なおアプリは”軽度”のクモ恐怖症治療に有効であるとのこと。恐怖症が重度である場合は、きちんとした専門家に相談したうえでアプリを使うよう研究グループは勧めている。
References:Augmented reality helps tackle fear of spiders | University of Basel / written by hiroching / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
苦手というレベルならまだ日常生活を営めるが、クモ恐怖症を持つ人は、蜘蛛がいそうな場所、蜘蛛の巣を見ただけで落ち着かなくなる。
本体を見るとそのパニックになり、周囲に近づけなくなる。
多くの蜘蛛はダニやノミなどの害虫を食べてくれるいわば益虫だ。せめて家の中にいる小さなクモくらい冷静に対処できる程には慣れておいた方がいいだろう。
そこで開発されたのが『Phobys』という拡張現実アプリだ。まずはヴァーチャルの蜘蛛に慣れることで、恐怖をやわらげようというのだ。
恐怖症の克服に有効な暴露療法 恐怖症を克服する方法の1つとして、「暴露療法」がある。これは認知行動療法の一種で、恐怖や不安を感じさせる物に段階的に接触することで、少しずつ慣れ、不安を解消していくというやり方だ。
だが、そもそもクモ恐怖症の人は、蜘蛛には絶対に近寄りたくないという根本的な問題がある。患者から拒否される治療法など、あまり意味がない。ヴァーチャルのクモで恐怖症を克服 そこでスイス、バーゼル大学の研究グループは、本物のクモの代わりにヴァーチャルの蜘蛛を利用して、ゲーム感覚で恐怖症を治す方法を考案した。
それが『Phobys』という拡張現実アプリだ。
このアプリは、カメラで撮影した空間にリアルなCGクモを投影させる。
スマホのカメラをテーブルに向ければ、そこにまるで本物のクモがいるかのように見える。自分の手の上に薄気味悪いクモをはわせることもできる。
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Photo by:University of Basel, MCN
治療はゲーム感覚で進められる。9つのレベルの課題が設定されており、それを1つ1つクリアしながら、恐怖症を乗り越えていく。
もちろんクリアするほどに難易度は上がるが、祝福メッセージやアニメーションなどで、ユーザーのモチベーションを維持する仕掛けもある。治療効果は学術的に確認済み その効果は折り紙つきだ。『Journal of Anxiety Disorders』(21年7月2日付)に掲載された研究では、Phobysで実際にクモ恐怖症が和らぐことが確認されている。
クモ恐怖症の患者66人が参加した実験では、2週間にわたりPhobysによる30分のセッションを6回実施。その結果、本物のクモを見たときの恐怖感や嫌悪感が「有意に低下」することがわかった。
Phobysは、App StoreとGoogle Play Storeで入手できる。気になる人は、無料のトライアル版で、クモ恐怖症レベルをチェックしてみよう。ただし実際の治療には有料版が必要だ。
Start | phobys
[画像を見る]
なおアプリは”軽度”のクモ恐怖症治療に有効であるとのこと。恐怖症が重度である場合は、きちんとした専門家に相談したうえでアプリを使うよう研究グループは勧めている。
References:Augmented reality helps tackle fear of spiders | University of Basel / written by hiroching / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
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