ヒビ割れた状態のままスマホを使用している人を割とよく見かけるが、うっかり落とすとダメージを受けやすいのがディスプレイのガラス部分だ。
保護フィルムを張る手もあるだろうが、抜本的に変えるには本体のガラスを変えることだろう。
カナダ、マギル大学の研究グループによって、「割れないガラス」が開発されたのだ。
そのスマホを耳に当てたらざぁっと海の音が聞こえてくるかもしれない。なぜなら割れないガラスは貝殻をヒントに開発されたからだ。
貝殻からインスパイアされた割れないガラス 『Science』(21年9月10日付)で発表された割れないガラスは、ガラスのように透明で、それでいてプラスチックのように頑丈だ。こうした特徴から、スマホの素材として利用が期待されている。
開発のヒントになったのは、真珠貝などの貝殻の内側にある「真珠層」だ。
不思議な光沢を放つ真珠層は、硬いチョークのような物質と柔軟なタンパク質が層のように重なっている。このおかげで、硬い素材の「剛性」と柔らかい素材の「耐久性」が素晴らしいバランスで共存する。
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ガラスとアクリルで真珠層を再現 割れないガラスは、この構造をガラスフレークとアクリルの層で再現したものだ。
ただし、そのままだと強度は十分でも、スマホに使うには少々不透明だった。そこでアクリルの反射率を調整し、ガラスフレークと馴染ませることで、透明度の改善が図られた。
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だが、まだ改善点はある。スマホのタッチスクリーンとして使うには、導電性を高める必要があるからだ。またガラスの色を変えるといった工夫も考えられるそうだ。
こうした課題がクリアされたらば、いちいち保護フィルムを張らなくても、丈夫で耐久性の高いスマホ用ガラスが次世代に登場することだろう。
できればスマホのボディカラーに真珠のように美しいパールホワイトをぜひとも加えてもらいたいものだ。
References:Unbreakable glass inspired by seashells - McGill University / written by hiroching / edited by parumo
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