
Wikimedia Commons
「ベルメスの顔」は、長年、超常現象研究家を悩ませてきた怪奇現象だ。
スペインのある家のコンクリートの床に、顔のようなシミが浮かび上がってきた。
消しても消しても浮かび上がってくるこのシミの謎を解明すべく、調査のために破壊されたコンクリートが採取された。
取り除いても消しても浮かび上がる人の顔をしたシミ 日々、私たちは皆、服や家のあちこちにつく頑固なシミ(染み)と闘い続けている。そんな中、もし、あなたの家の床に人の顔のように見える不気味な染みが現われ、いくら消してもまた出てくるとしたら?
それは怪奇現象だと説明されたら、どう思うだろうか。
1971年8月23日、スペイン、アンダルシア州ハエン県の小さな町、ベルメスに住むマリア・ゴメス夫人は、床に顔のような染みを発見した。
何度消しても消えないため、マリアは夫のフアン・ペレイラと、息子のミゲルにこのシミを斧で打ち砕いて取り除いてもらい、新たなコンクリートを流し込んでもらった。
[画像を見る]
ペレイラ家の台所の床に現れた人の顔をしたシミ / image credit:Wikimedia Commons
ところが、新しいコンクリート渇くとまた新たな顔が現われ、こちらを見返してきた。消しても消してもまた現われる。
それは現われるたびに、少しずつ違った顔になり、さらには複数の場所に仲間が増えることもあった。
この噂を聞いた市長は、これ以上シミを削り取ることを禁止し、調査のために保存するよう言い渡した。
当然のことながら、この現象は広く世間の関心を集め、新聞やテレビなどマスコミがこぞって報道した。
このシミはいつしか「ベルメスの顔」と呼ばれるようになった。
[画像を見る]
マリア・ゴメスの家に現れた不気味な顔のひとつすっかり有名になり観光スポットに この事件で、小さな町にすぎなかったベルメスは一躍有名になり、大勢が押し寄せる観光スポットになった。
もちろん、この現象はマリア一家が仕組んだ金目当ての捏造だという懐疑的な意見も飛び出した。だが多くの人は、この顔は捏造ではなく、説明のつかない超常現象の一種だと信じ込んだ。
つまり、霊能力者だったというたマリア・ゴメスが、無意識のうちに作り出したもの、呼び出したものだというのだ。
1972年のイースターには、大勢の人がこの"顔の出る家"に押しかけるようになった。
[画像を見る]
30年以上にわたって、サイズも性別も違うさまざまな顔が現われ続けた30年以上に渡って物議をかもす この騒ぎは、30年たっても続いた。マリア一家が言うには、顔は男だったり女だったりすることもあり、形や大きさ、表情も変わるとのことだ。
数も最初はひとつだけだったのが、床だけでなく、壁にも複数現われるようになった。
17世紀に殺人事件が起きたことや、近くに古代の墓があったことなどと関連付けられ、この不気味な顔の原因がやたらと取りざたされた。
マリアとの関係を確信する研究者もいて、マリアの気分によって、顔の表情や色が変わるのだという。
これはまったくのでっちあげだと断言する者もいた。
2004年にマリアが85歳で亡くなるまで、さまざまな調査が行われ、その後も10年間続けられた。
[画像を見る]
ベルメスの顔の正体は? 2014年、スペインの調査報道番組「クアトロ・ミレニオ」が、これらの顔について技術的な分析を行った。
そして、この顔は"ペンキや塗料などで描かれたものではない"という結論を出した。
きちんとした科学的知識と技術に基づいた分析を行ったが、これらの顔には人為的に手を加えられた要素はなにもないというのだ。
コンクリート用溶剤や、塩酸、硝酸銀などを使って、再現しようとしたが、うまくいかず、完全に困惑するだけだったという。
だが、懐疑派はさらに徹底的な調査を行い、塗料や薬品の特定や、実際に同じ現象が発生するかどうかを再現した実験を行った。
それによると、コンクリートから採取された成分には酢酸やセメントなどの薬剤の使用が疑われ、それが、紫外線によって変色した可能性が高いと報告した。
だが現在も、超常現象であると主張する者と、懐疑論者の間で議論が続けられており、結論はまだ出ていない。
[動画を見る]
The Faces of Belmez (Creepy and Unexplainable)
ちなみに、マリアの死後に現れた顔の1つは、マリアの次男が描いた偽物であることが後に判明している。
References:Belmez Faces: Mystery of the People in the Floor - Historic Mysteries / Creepy faces keep appearing in kitchen floor sparking chilling 'conjuring' theory - Daily Star / written by konohazuku / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
「ベルメスの顔」は、長年、超常現象研究家を悩ませてきた怪奇現象だ。
スペインのある家のコンクリートの床に、顔のようなシミが浮かび上がってきた。
すぐに破壊されて新しい床に替えられたが、その後も顔は浮かび上がってくる。
消しても消しても浮かび上がってくるこのシミの謎を解明すべく、調査のために破壊されたコンクリートが採取された。
取り除いても消しても浮かび上がる人の顔をしたシミ 日々、私たちは皆、服や家のあちこちにつく頑固なシミ(染み)と闘い続けている。そんな中、もし、あなたの家の床に人の顔のように見える不気味な染みが現われ、いくら消してもまた出てくるとしたら?
それは怪奇現象だと説明されたら、どう思うだろうか。
1971年8月23日、スペイン、アンダルシア州ハエン県の小さな町、ベルメスに住むマリア・ゴメス夫人は、床に顔のような染みを発見した。
何度消しても消えないため、マリアは夫のフアン・ペレイラと、息子のミゲルにこのシミを斧で打ち砕いて取り除いてもらい、新たなコンクリートを流し込んでもらった。
[画像を見る]
ペレイラ家の台所の床に現れた人の顔をしたシミ / image credit:Wikimedia Commons
ところが、新しいコンクリート渇くとまた新たな顔が現われ、こちらを見返してきた。消しても消してもまた現われる。
それは現われるたびに、少しずつ違った顔になり、さらには複数の場所に仲間が増えることもあった。
この噂を聞いた市長は、これ以上シミを削り取ることを禁止し、調査のために保存するよう言い渡した。
当然のことながら、この現象は広く世間の関心を集め、新聞やテレビなどマスコミがこぞって報道した。
このシミはいつしか「ベルメスの顔」と呼ばれるようになった。
[画像を見る]
マリア・ゴメスの家に現れた不気味な顔のひとつすっかり有名になり観光スポットに この事件で、小さな町にすぎなかったベルメスは一躍有名になり、大勢が押し寄せる観光スポットになった。
もちろん、この現象はマリア一家が仕組んだ金目当ての捏造だという懐疑的な意見も飛び出した。だが多くの人は、この顔は捏造ではなく、説明のつかない超常現象の一種だと信じ込んだ。
つまり、霊能力者だったというたマリア・ゴメスが、無意識のうちに作り出したもの、呼び出したものだというのだ。
1972年のイースターには、大勢の人がこの"顔の出る家"に押しかけるようになった。
[画像を見る]
30年以上にわたって、サイズも性別も違うさまざまな顔が現われ続けた30年以上に渡って物議をかもす この騒ぎは、30年たっても続いた。マリア一家が言うには、顔は男だったり女だったりすることもあり、形や大きさ、表情も変わるとのことだ。
数も最初はひとつだけだったのが、床だけでなく、壁にも複数現われるようになった。
17世紀に殺人事件が起きたことや、近くに古代の墓があったことなどと関連付けられ、この不気味な顔の原因がやたらと取りざたされた。
マリアとの関係を確信する研究者もいて、マリアの気分によって、顔の表情や色が変わるのだという。
これはまったくのでっちあげだと断言する者もいた。
2004年にマリアが85歳で亡くなるまで、さまざまな調査が行われ、その後も10年間続けられた。
[画像を見る]
ベルメスの顔の正体は? 2014年、スペインの調査報道番組「クアトロ・ミレニオ」が、これらの顔について技術的な分析を行った。
そして、この顔は"ペンキや塗料などで描かれたものではない"という結論を出した。
きちんとした科学的知識と技術に基づいた分析を行ったが、これらの顔には人為的に手を加えられた要素はなにもないというのだ。
コンクリート用溶剤や、塩酸、硝酸銀などを使って、再現しようとしたが、うまくいかず、完全に困惑するだけだったという。
だが、懐疑派はさらに徹底的な調査を行い、塗料や薬品の特定や、実際に同じ現象が発生するかどうかを再現した実験を行った。
それによると、コンクリートから採取された成分には酢酸やセメントなどの薬剤の使用が疑われ、それが、紫外線によって変色した可能性が高いと報告した。
だが現在も、超常現象であると主張する者と、懐疑論者の間で議論が続けられており、結論はまだ出ていない。
[動画を見る]
The Faces of Belmez (Creepy and Unexplainable)
ちなみに、マリアの死後に現れた顔の1つは、マリアの次男が描いた偽物であることが後に判明している。
References:Belmez Faces: Mystery of the People in the Floor - Historic Mysteries / Creepy faces keep appearing in kitchen floor sparking chilling 'conjuring' theory - Daily Star / written by konohazuku / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
編集部おすすめ