
image credit:UNMSM
ペルー、リマから24キロほどのところにあるカハマルキージャ遺跡の地下墓地から、少なくとも800年~1200年前のものと思われるミイラが発見された。
保存状態の良いこのミイラの最大の特徴的は、ロープで体をぐるぐる巻きにされ、手で顔を覆っているていることだ。
サンマルコス州立大学(UNMSM)の考古学者、ピーター・ヴァン・ダレン・ルナ氏によると、ミイラをロープで縛る儀式は、ペルーの海岸と山間部の間の地域で発達したチャクラ(Chaclla)文化で行われていたという。
全身をロープで縛られた若い男性のミイラ カハマルキージャ遺跡の地下墓地で見つかった保存状態のよいミイラの性別ははっきり断定はできないが、若い男性で死亡推定年齢は25歳前後、少なくとも紀元800年~1200年前のものであるそうだ。
サンマルコス州立大学の考古学者ピーター・ヴァン・ダレン・ルナ氏は、放射性炭素年代測定を行えば、もっと正確な年代がわかるという。
[画像を見る]
サンマルコス州立大学の考古学者ピーター・ヴァン・ダレン・ルナ(右)とロープで縛られたミイラ(後方) / image credit:UNMSM
このミイラの最大の特徴は全身をロープで縛られていて、手で顔を覆っていることだ。
長い長い年月、地下墓室で縛られたまま胎児のようにうずくまっていた。陶器、石器、野菜の痕跡が残ったヒョウタンといった供物も見つかった。
縛られたミイラが見つかったカハマルキージャ遺跡は、アンデスの高地と海岸線の都市部をつなぐ交易ルールに沿った場所にある。
1000年から1470年の後期中間期は、アンデス地方の帝国間で多くの地域グループが再編され、力を得ていた時代で、交易の重要な中心地となっていた。その繁栄ぶりは、大規模な公共建造物や、大通り、広場などに反映されている。
胎児の姿勢をとらせる、ロープで縛るといった行為は、スペイン征服時代以前の高地アンデスに住む人々の間では一般的な葬送習慣だった。
このミイラから、カハマルキージャには、すぐ近くの沿岸部の人々だけでなく、山間部からのアンデス系の人たちも住んでいたことがわかる。
海岸部と山間部をつなげる交易の中心として重要な場所となった結果、アンデスから人々が定住してきた可能性があるためだ。
副葬品を伴うペルーのミイラは、スペイン人がやってくる前のアンデス先住民の文化についての理解を広げてくれる。
今回発見されたミイラをもっと詳しく調べれば、さらに理解が進むことだろう。
[動画を見る]
At least 800 year-old mummy found in Peru興味深いアンデス地方におけるミイラ文化 アンデス地方で先住民族によるミイラ作りが行われ始めたのは、7000年も前にさかのぼると言われている。
現在のペルーやチリに住んでいたチンチョロ族は、エジプト人よりも数千年も前に初めてミイラ作りを行った人たちだ。愛する人の遺体を保存することで、生者が死者とのつながりをもつことができたのだ。
興味深いのは、ペルーのミイラは、ただ埋葬されて、あの世で暮らせるようにされただけではないことだ。
ミイラを家に安置したり、祭りにかつぎ出して、結婚式、種まきや収穫などの儀式に参加させたりすることもあったという。
愛する故人の墓に食べ物や飲み物を捧げる文化もある。こうしたミイラは、生者と神々とをつなぐものと考えられ、重要な場面場面で、安置されている場所から引っ張り出されて、"教えを請われたり"することもあったという。
[画像を見る]
カハマルキージャ遺跡から見つかったロープで縛られたミイラのクローズアップ / image credit:UNMSM
アンデス地方にはさまざまな文化をもつ民族が住んでいて、死者の扱いは自然にまかせるものから、ミイラ化するものまでそれぞれ違う。
遺体の保存は、砂漠や山岳地域などアンデスじゅうで見られる自然の気候条件の助けをかりて、完全乾燥や冷凍乾燥させて行った。
遺体は、アルコール(トウモロコシのビールであるチッチャ)を使って処理・保存された。
ミイラはたいてい、胎児のように足を抱えた姿勢で安置され、布で幾重にも巻かれで紐で縛り、頭にも布をかぶせることもあった。
重要人物には、上質な布や宝石が使われた。死者の持ち物も一緒に埋葬され、職業の道具も添えられることもあったという。
※このコンテンツは教育および情報提供のみを目的としています
References:Archaeologists Discover 800-year-old Rope-bound Mummy in Peru | Ancient Origins / / written by konohazuku / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
ペルー、リマから24キロほどのところにあるカハマルキージャ遺跡の地下墓地から、少なくとも800年~1200年前のものと思われるミイラが発見された。
保存状態の良いこのミイラの最大の特徴的は、ロープで体をぐるぐる巻きにされ、手で顔を覆っているていることだ。
サンマルコス州立大学(UNMSM)の考古学者、ピーター・ヴァン・ダレン・ルナ氏によると、ミイラをロープで縛る儀式は、ペルーの海岸と山間部の間の地域で発達したチャクラ(Chaclla)文化で行われていたという。
全身をロープで縛られた若い男性のミイラ カハマルキージャ遺跡の地下墓地で見つかった保存状態のよいミイラの性別ははっきり断定はできないが、若い男性で死亡推定年齢は25歳前後、少なくとも紀元800年~1200年前のものであるそうだ。
サンマルコス州立大学の考古学者ピーター・ヴァン・ダレン・ルナ氏は、放射性炭素年代測定を行えば、もっと正確な年代がわかるという。
[画像を見る]
サンマルコス州立大学の考古学者ピーター・ヴァン・ダレン・ルナ(右)とロープで縛られたミイラ(後方) / image credit:UNMSM
このミイラの最大の特徴は全身をロープで縛られていて、手で顔を覆っていることだ。
長い長い年月、地下墓室で縛られたまま胎児のようにうずくまっていた。陶器、石器、野菜の痕跡が残ったヒョウタンといった供物も見つかった。
縛られたミイラが見つかったカハマルキージャ遺跡は、アンデスの高地と海岸線の都市部をつなぐ交易ルールに沿った場所にある。
1000年から1470年の後期中間期は、アンデス地方の帝国間で多くの地域グループが再編され、力を得ていた時代で、交易の重要な中心地となっていた。その繁栄ぶりは、大規模な公共建造物や、大通り、広場などに反映されている。
胎児の姿勢をとらせる、ロープで縛るといった行為は、スペイン征服時代以前の高地アンデスに住む人々の間では一般的な葬送習慣だった。
このミイラから、カハマルキージャには、すぐ近くの沿岸部の人々だけでなく、山間部からのアンデス系の人たちも住んでいたことがわかる。
海岸部と山間部をつなげる交易の中心として重要な場所となった結果、アンデスから人々が定住してきた可能性があるためだ。
副葬品を伴うペルーのミイラは、スペイン人がやってくる前のアンデス先住民の文化についての理解を広げてくれる。
今回発見されたミイラをもっと詳しく調べれば、さらに理解が進むことだろう。
[動画を見る]
At least 800 year-old mummy found in Peru興味深いアンデス地方におけるミイラ文化 アンデス地方で先住民族によるミイラ作りが行われ始めたのは、7000年も前にさかのぼると言われている。
現在のペルーやチリに住んでいたチンチョロ族は、エジプト人よりも数千年も前に初めてミイラ作りを行った人たちだ。愛する人の遺体を保存することで、生者が死者とのつながりをもつことができたのだ。
興味深いのは、ペルーのミイラは、ただ埋葬されて、あの世で暮らせるようにされただけではないことだ。
ミイラを家に安置したり、祭りにかつぎ出して、結婚式、種まきや収穫などの儀式に参加させたりすることもあったという。
愛する故人の墓に食べ物や飲み物を捧げる文化もある。こうしたミイラは、生者と神々とをつなぐものと考えられ、重要な場面場面で、安置されている場所から引っ張り出されて、"教えを請われたり"することもあったという。
[画像を見る]
カハマルキージャ遺跡から見つかったロープで縛られたミイラのクローズアップ / image credit:UNMSM
アンデス地方にはさまざまな文化をもつ民族が住んでいて、死者の扱いは自然にまかせるものから、ミイラ化するものまでそれぞれ違う。
遺体の保存は、砂漠や山岳地域などアンデスじゅうで見られる自然の気候条件の助けをかりて、完全乾燥や冷凍乾燥させて行った。
遺体は、アルコール(トウモロコシのビールであるチッチャ)を使って処理・保存された。
初期のアンデス文明では、防腐剤として塩が使われ、埋葬前に遺体から肉や体液を取り除かれることが多かった。
ミイラはたいてい、胎児のように足を抱えた姿勢で安置され、布で幾重にも巻かれで紐で縛り、頭にも布をかぶせることもあった。
重要人物には、上質な布や宝石が使われた。死者の持ち物も一緒に埋葬され、職業の道具も添えられることもあったという。
※このコンテンツは教育および情報提供のみを目的としています
References:Archaeologists Discover 800-year-old Rope-bound Mummy in Peru | Ancient Origins / / written by konohazuku / edited by parumo
『画像・動画、SNSが見れない場合はオリジナルサイト(カラパイア)をご覧ください。』
編集部おすすめ