
我々は知らず知らずのうちにマイクロプラスチックを人体に取り込んでいる。日本を含む世界8か国の人々の便を採取したところ、全員からマイクロプラスチックが検出されたという調査結果も報告されている。
体内に取り込まれたマイクロプラスチックは人体にどのような影響を与えるのか?
イギリスの研究グループは、世界で初めてマイクロプラスチックがヒト細胞に及ぼす影響の定量化を試みた。それによると、「細胞の死」や「アレルギー反応」など、健康被害が出る可能性が確認されたという。
地球上の様々な生物の体内に入り込むマイクロプラスチック 環境中に存在する5mm以下の微小なプラスチック粒子は「マイクロプラスチック」と呼ばれ、特に海洋環境に悪影響を及ぼしている。
それはあらゆるところに存在し、洗濯に使われた水によって川に流れ込んだり、雨や雪に混じって降り積り、土壌を汚染し植物にも影響をもたらす。
そして人間も例外ではない。肺・肝臓・脾臓・腎臓といった人間の臓器からも、微細なプラスチック粒子が検出されているのだ。
ところが、それがどの程度危険なものなのか、あまりよくわかっていない。マイクロプラスチック問題に注目が集まるようになったのが、ごく最近のことだからだ。
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photo by iStock
マイクロプラスチックによる人体への影響を調査 そこでイングランド、ハル大学の研究グループは、その有害性を定量的に確かめてみることにした。
過去の関連文献17本のデータに基づき、汚染された食事や水を通じて人間が摂取したマイクロプラスチックの量と、それがヒト細胞に引き起こすダメージの大きさを比較。
その結果、人間が食べたマイクロプラスチックが直接的な原因となって、「細胞の死」「細胞膜の損傷」「アレルギー反応」などが起きることが確認された。
研究グループによると、今回の研究で有害であることが判明した量を、私たちはすでに食べているのだという。
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マイクロプラスチックの形状によって有害性に違いがある この研究ではもう1つ重要なことが明らかにされている。
それはマイクロプラスチックの形状によって、有害性に違いがあることだ。球状の粒子よりも、形が不規則な粒子の方がより細胞を殺すと考えられるのだという。
過去の研究では、球状のマイクロプラスチックが扱われることがほとんどだった。しかし環境で見られるほとんどは、より有害な形が不規則なものだ。
このことから研究グループは、マイクロプラスチック研究には「転換」が必要だと訴えている。
この研究論文は『Journal of Hazardous Materials』(2021年11月24日付)に掲載された。
References:Microplastics found to be harmful to human ce | EurekAlert! / The microplastics we're ingesting are likely affecting our cells / written by hiroching / edited by parumo
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体内に取り込まれたマイクロプラスチックは人体にどのような影響を与えるのか?
イギリスの研究グループは、世界で初めてマイクロプラスチックがヒト細胞に及ぼす影響の定量化を試みた。それによると、「細胞の死」や「アレルギー反応」など、健康被害が出る可能性が確認されたという。
地球上の様々な生物の体内に入り込むマイクロプラスチック 環境中に存在する5mm以下の微小なプラスチック粒子は「マイクロプラスチック」と呼ばれ、特に海洋環境に悪影響を及ぼしている。
それはあらゆるところに存在し、洗濯に使われた水によって川に流れ込んだり、雨や雪に混じって降り積り、土壌を汚染し植物にも影響をもたらす。
そして人間も例外ではない。肺・肝臓・脾臓・腎臓といった人間の臓器からも、微細なプラスチック粒子が検出されているのだ。
ところが、それがどの程度危険なものなのか、あまりよくわかっていない。マイクロプラスチック問題に注目が集まるようになったのが、ごく最近のことだからだ。
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マイクロプラスチックによる人体への影響を調査 そこでイングランド、ハル大学の研究グループは、その有害性を定量的に確かめてみることにした。
過去の関連文献17本のデータに基づき、汚染された食事や水を通じて人間が摂取したマイクロプラスチックの量と、それがヒト細胞に引き起こすダメージの大きさを比較。
その結果、人間が食べたマイクロプラスチックが直接的な原因となって、「細胞の死」「細胞膜の損傷」「アレルギー反応」などが起きることが確認された。
研究グループによると、今回の研究で有害であることが判明した量を、私たちはすでに食べているのだという。
そして、それらが人体の外に排出されるのかどうか、今のところはっきりしていない。
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マイクロプラスチックの形状によって有害性に違いがある この研究ではもう1つ重要なことが明らかにされている。
それはマイクロプラスチックの形状によって、有害性に違いがあることだ。球状の粒子よりも、形が不規則な粒子の方がより細胞を殺すと考えられるのだという。
過去の研究では、球状のマイクロプラスチックが扱われることがほとんどだった。しかし環境で見られるほとんどは、より有害な形が不規則なものだ。
このことから研究グループは、マイクロプラスチック研究には「転換」が必要だと訴えている。
この研究論文は『Journal of Hazardous Materials』(2021年11月24日付)に掲載された。
References:Microplastics found to be harmful to human ce | EurekAlert! / The microplastics we're ingesting are likely affecting our cells / written by hiroching / edited by parumo
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